ジェームズ・ニューマン

ジェームズ・ニューマン：物理学者、宇宙飛行士、教育者

ジェームズ・ニューマン（James H. Newman、1956年10月16日生まれ）は、アメリカ合衆国の物理学者、アメリカ航空宇宙局（NASA）の宇宙飛行士であり、4度の宇宙飛行を経験した人物です。宇宙飛行士としての活動だけでなく、教育者としてもその才能を発揮しています。

生い立ちと家族

ニューマンは1956年に、太平洋諸島信託統治領（現在のミクロネシア連邦）で生まれましたが、カリフォルニア州サンディエゴを故郷とみなしています。妻のMary Lee Pieperとの間に3人の子供がいます。彼の両親であるRuth HansenとWilliam Newmanもサンディエゴに在住。

学歴

1974年にサンディエゴのラホヤ高校を卒業後、1978年にダートマス大学で物理学の学士号を取得。その後、ライス大学に進み、1982年に物理学の修士号、1984年に博士号を取得しました。

所属

アメリカ物理学会とシグマ・サイのメンバーでもあります。

受賞歴

数々の賞を受賞しており、1978年にダートマス大学からCitation in Senior Thesis Research、1980年にシグマ・サイ会員に選出。1982年から1983年にはTexaco Fellowship、1985年にはSigma Xi Graduate Merit Award、1988年にはNASA Superior Achievement Awardを受賞。1995年にはInstitute of NavigationからSuperior Achievement Award、1996年にはNASA Exceptional Service Medalを受賞しました。また、American Astronautical Society Flight Achievement Awardを2度受賞しています。

NASAでのキャリア

1984年にライス大学を卒業後、1年間ポスドクとして研究を続けました。専門は原子・分子物理学で、特に大気中の原子や分子の中～低エネルギー衝突を研究。1985年にはライス大学の宇宙物理学・天文学分野の非常勤教授に任命されました。同年、NASAジョンソン宇宙センターで宇宙飛行士や管制官の訓練を担当しました。

1990年1月にNASAに選抜され、同年7月から宇宙飛行士としての訓練を開始。打上げ前の乗員の搭乗、着陸後の脱出、シャトル搭載のラップトップコンピュータの開発、シャトルや宇宙ステーションでのコンピュータ利用などを担当。1999年3月からは、シャトル・リモート・マニピュレータ・システム（RMS）統合マネージャとして、軌道上のロボットアームとスペースビジョンシステムを担当しました。

宇宙飛行

1993年のSTS-51、1995年のSTS-69、1998年のSTS-88、2002年のSTS-109で、ミッションスペシャリストとして宇宙飛行を行いました。4度の宇宙飛行で、合計43日以上を宇宙で過ごし、6回の宇宙遊泳で合計43時間13分活動しました。

STS-51 (1993年): 先進通信技術衛星（ACTS）とシャトルパレット衛星の紫外線分光計（ORFEUS/SPAS）の放出、将来のミッションで使用する道具や技術の試験。
STS-69 (1995年): SPARTAN衛星とWake Shield Facility（WSF）の放出と回収、通信アダプタ、GPS、RMSディスプレイの軌道上試験。
STS-88 (1998年): 国際宇宙ステーション組立ミッションの最初のフライト。ユニティとザーリャの結合、外部ケーブルの接続、アンテナの設置など3回の宇宙遊泳を実施。
STS-109 (2002年): ハッブル宇宙望遠鏡の4回目のサービスミッション。太陽アレイ、出力調整ユニット、カメラの交換、冷却器の設置などのため、2回の宇宙遊泳を実施。

ロシアでの活動とその後

2002年12月1日、ニューマンはロシアの有人宇宙飛行プログラムにNASA側の責任者として参加しました。ロスコスモスでのNASA代表として、有人飛行のオペレーション、ロジスティクス、技術の監視、コロリョフでのNASAミッションのオペレーション、スターシティのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでの乗組員訓練などを担当しました。

2006年3月、カリフォルニア州モントレーの海軍大学院でNASA客員教授を務め、2008年1月にNASAを辞職。その後は同大学院の教授として、超小型人工衛星を用いた研究や教育に携わっています。

ジェームズ・ニューマンは、宇宙探査の最前線で活躍しただけでなく、次世代の育成にも貢献している人物です。

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