ジダニ・モスト - シェンティイ線

ジダニ・モスト - シェンティリ線：スロベニアを横断する鉄道の歴史と現在

ジダニ・モスト - シェンティリ線（スロベニア語: Železniška proga Zidani Most - Šentilj）は、スロベニア共和国のジダニ・モストとシェンティリを結ぶ重要な鉄道路線です。シェンティリ駅からはオーストリアとの国境を越え、シュピールフェルト・シュトラス駅を経由してウィーン方面へと接続します。この路線は、汎ヨーロッパ回廊の10号線A支線の一部として、グラーツ - マリボル - ザグレブ間の交通を担う役割も果たしています。

歴史

この路線の歴史は、オーストリア帝国時代の1846年に遡ります。ウィーン・グロッグニッツ鉄道会社によって建設されたオーストリア南部鉄道の一部として、グラーツ - シェンティリ - ツェリェ間が開業したのが始まりでした。1843年にはグラーツ - ツィリ（現在のツェリェ）間の鉄道建設が許可され、複数の候補の中から現在の経路が選ばれました。当時の鉄道の所有権は南部帝国鉄道にあり、ウィーン・グロッグニッツ鉄道会社が運営を担当していました。1849年8月18日には、ツェリェ - ジダニ・モスト - ライバッハ（現在のリュブリャナ）間が開業しました。この区間の工事は、1848年革命の影響で遅延を余儀なくされました。

1854年にはゼメリング区間が開通し、ウィーンとライバッハ間の列車運行が実現しました。しかし、1917年7月10日にはプラーガーホーフ駅（現在のプラゲルスコ駅）で、貨車に積載された機雷が爆発するという事故が発生しました。この爆発は、近くに停車していた軍人輸送列車と装甲列車にも影響を及ぼし、装甲車に積載されていた爆薬ピクリン酸も誘爆しました。この事故により43名が死亡、75名が負傷し、駅構内の8本の線路が420mにわたって破壊されました。

第一次世界大戦後、スロベニアはユーゴスラビア王国の一部となり、シェンティリ駅がユーゴスラビアとオーストリアの国境駅となりました。終戦直後には、「セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国鉄道」が国境線 - ジダニ・モスト区間を引き継ぎ、1929年にはユーゴスラビア国営鉄道に改称されました。

1941年4月、ナチス・ドイツがユーゴスラビアに侵攻すると、ニーダーシュタイアーマルク民政地域は帝国大管区に併合されました。その結果、スロベニア区間はドイツ国営鉄道の路線網に編入されました。1944年当時、この路線は現在の南部鉄道、ジダニ・モスト - リュブリャナ区間とともに同じ路線番号で統合されました。

第二次世界大戦後、この路線はユーゴスラビア鉄道に復帰しました。社会主義路線を歩むユーゴスラビア連邦人民共和国の成立と冷戦の影響で、オーストリアとイタリアを結ぶ列車は、主にタルヴィージオ経由の路線を利用するようになりました。1991年からは、スロベニア鉄道がこの路線を運営しています。

現在、全線が電化されており、複線化工事も進められていますが、（ヴェルンドルフ - ）国境 - マリボル間は単線のままとなっています。

運行形態

リュブリャナとウィーンを結ぶ国際列車がこの路線を経由するほか、国内列車も運行されています。

IC: ブダペスト - ジェール - ソンバトヘイ - セントゴットハールト - グラーツ - マリボル - チェリエ - ジダニ・モスト - リュブリャナ
EC: ウィーン - ウィーナー・ノイシュタット - ブルック（ムル）- グラーツ - シュピールフェルト＝シュトラース - マリボル - プラゲルスコ - チェリエ - ラシュコ - ザグレブ/トリエステ（1日2往復）
* EN: ブラティスラバ - ウィーン - グラーツ - マリボル - チェリエ - ザグレブ - スプリット

ジダニ・モスト - シェンティリ線は、スロベニアの鉄道輸送において重要な役割を果たしており、今後もその重要性は変わらないでしょう。

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