ジャック (潜水艦)

潜水艦ジャック (USS Jack, SS-259)

アメリカ海軍の潜水艦、ジャック（USS Jack, SS-259）は、ガトー級潜水艦の一隻で、名前はアジ科の魚に由来しています。彼は1943年にニューロンドンで就役し、太平洋戦争で活躍しました。ジャックは、その任務中に多数の敵艦船を撃沈し、結果として76,687トンの船舶を沈める戦果を挙げています。

艦歴の概要

起工と就役

ジャックは1941年にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工され、1942年10月16日にフランシス・シーリー夫人によって進水します。艦長にはトーマス・M・ダイカース少佐が任命され、1943年1月6日に正式にニューロンドンで就役しました。整調を経て、太平洋での任務に向けて出航します。

第1、第2の哨戒 (1943年6月 - 10月)

最初の哨戒では、ジャックは日本近海での任務に向かいました。最初の攻撃は6月20日、1,500トン級のトロール船へのものでしたが、魚雷は回避されます。その後、6月26日には第3625船団を発見し、魚雷を発射して特設運送船「東洋丸」と「彰山丸」を撃沈しました。その後の行動でも、いくつかの艦船を仕留めることに成功しました。

9月5日からは2回目の哨戒を実施し、神風型駆逐艦への攻撃を試みましたが、命中には至りませんでした。エンジンの問題により、任務を中断せざるを得なくなり、ジャックは真珠湾に帰投しました。その後、エンジンの換装を行い、さらなる任務に備えました。

第3の哨戒 (1944年1月 - 3月)

1944年1月16日、ジャックは南シナ海へ向かいます。2月19日にはヒ40船団を発見し、タンカーに対して合計6本の魚雷を発射しました。これにより、複数のターゲットを撃沈し、大きな戦果を上げました。最終的に、哨戒を終えたジャックはフリーマントルに帰投します。

第4、第5の哨戒 (1944年4月 - 7月)

4月6日からは再び南シナ海での哨戒に出発し、様々な攻撃を行います。特に竹一船団に対しての攻撃では、6本の魚雷のうち4本が命中し、敵に大きな損害を与えました。5月10日には帰港し、艦長も交代しました。

第6、第7の哨戒 (1944年8月 - 12月)

6回目の哨戒ではセレベス海での任務が続き、敵艦への攻撃を行いました。この時期、ジャックはパイロットの救助を中心とした任務に移行し、戦時中の活動が続きました。12月には57日間の行動を終えて真珠湾に帰投し、オーバーホールに入ります。

第8、第9の哨戒 (1945年4月 - 8月)

戦争が進む中、8回目の哨戒では日本近海へ向かいました。しかし、多くの敵艦船が消失していたため、主にパイロット救助に従事します。最終的に、戦争終結を迎えると、ジャックはグアムアプラ港に帰投します。

戦後の動向

ジャックは1946年に退役し、予備役艦隊に入りました。その後、1957年に再就役し、ギリシャ海軍に貸与され「アンフィトリティ」という名で活動しました。最終的には1967年に地中海で標的艦として沈められました。

ジャックは、戦功により7個の従軍星章と殊勲部隊章を授与されています。彼の歴史は、アメリカ海軍潜水艦の栄光の一端を示すものです。

もう一度検索