ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティ

ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティ（1351年 - 1402年）は、14世紀後半のイタリア、ミラノ公国の初代公爵です。父ガレアッツォ2世と母ビアンカ・ディ・サヴォイアの間に生まれました。1395年にミラノ公となり、その子孫が後を継ぎました。

生涯

1378年、父の死によりミラノ公国の西半分を相続しました。東半分は叔父のベルナボが継承しましたが、彼の専横的な支配に対し、1385年にジャンはベルナボを幽閉し、暗殺してミラノ全域を掌握しました。

その後、ジャンはロンバルディア地方への勢力拡大に注力し、1387年にヴェローナ、1399年にはピサやシエナ、1402年にはボローニャを次々と征服しました。また、神聖ローマ皇帝ヴェンツェルに多額の資金を献上し、帝国諸侯の地位を得ました。これにより、1395年にはミラノ公およびパヴィア伯に任命され、ミラノ公国が正式に成立しました。

ジャンの治世は軍事を重視したため、多大な軍費を必要とし、結果として圧政を敷かざるを得ませんでした。しかし、ペストの被害が比較的少なかったことや、ジャン自身が文芸を保護し、ミラノ大聖堂の建設を推進するなど、文化面での発展にも貢献しました。その結果、ミラノは彼の治世下で大きく発展しました。

ロンバルディア地方のほぼ全域を制覇したジャンでしたが、フィレンツェとの間では二度の戦いに敗れ、どうしても支配することができませんでした。1402年、三度目の遠征を計画中にペストに罹患し、急逝しました。

ジャンの成功の背景には、傭兵を雇用し兵農分離を行っていた点が挙げられます。彼は当時としては開明的で進歩的な独裁君主であったと言えるでしょう。また、非常に野心家でもあり、「カエサルの再来」を自称し、フィレンツェ征服後にはイタリア王位に就こうと準備していたと伝えられています。

家族

1360年、フランス王ジャン2世の娘イザベルと結婚し、以下の子をもうけました。

女子（1366年 - 1380年以前）
ジャン・ガレアッツォ（1367年 - 1376年）
アッツォーネ（1368年 - 1381年）
女子（1369年 - 1380年以前）
ヴァレンティーナ（1371年 - 1408年）- オルレアン公ルイと結婚
カルロ（1373年 - 1374年）

1380年には、叔父ベルナボ・ヴィスコンティの娘カテリーナと再婚し、以下の子をもうけました。

ジョヴァンニ・マリーア（1388年 - 1412年）- 2代目ミラノ公
フィリッポ・マリーア（1392年 - 1447年）- 3代目ミラノ公

また、庶子もいました。

ビアンカ・マリーア・ヴィスコンティ - フィリッポ・マリーアの庶子。スフォルツァ家初代ミラノ公フランチェスコ・スフォルツァの妻。

関連項目

ミラノ公国
* ヴィスコンティ家

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