ジュディス・レズニック

ジュディス・アーレン・レズニック：宇宙への挑戦と悲劇

ジュディス・アーレン・レズニック（Judith Arlene Resnik、1949年4月5日 - 1986年1月28日）は、アメリカ合衆国の技術者であり、アメリカ航空宇宙局（NASA）の宇宙飛行士として活躍しました。彼女は、STS-51-Lミッションでチャレンジャー号爆発事故に巻き込まれ、36歳という若さで命を落としました。

生い立ちと教育

レズニックは、オハイオ州アクロンで生まれ育ちました。ヘブライ学校に通い、4歳年下の弟チャールズがいました。両親は視力検定員のマーヴィンとサラです。幼い頃から数学と音楽に才能を発揮し、特にピアノ演奏に秀でていました。1966年にファイアーストーン高校を卒業。高校時代には、SATで女性として唯一の満点を記録しました。

1970年、レズニックはカーネギー・メロン大学で電子工学の学位を取得。在学中にマイケル・オルダックと結婚しましたが、彼女がキャリアを優先したため、1974年に離婚しました。その後、1977年にメリーランド大学で電子工学の博士号を取得しました。

エンジニアとしてのキャリア

カーネギー・メロン大学卒業後、レズニックはRCA社に設計技師として入社し、NASAのプロジェクトに数多く携わりました。博士号取得のための研究中には、アメリカ国立衛生研究所から生物医学エンジニアとして資金援助を受けていました。その後、ゼロックス社でシステムエンジニアとして勤務しました。

宇宙飛行士としての挑戦

1978年、レズニックは女優のニシェル・ニコルズの推薦を受け、NASAの宇宙飛行士プログラムに応募し、見事合格しました。1984年8月から9月にかけて、ディスカバリー号で行われたSTS-41-Dミッションにミッションスペシャリストとして参加し、初めて宇宙へ飛び立ちました。このミッションでは、宇宙空間での実験や地球観測など、様々な活動を行いました。

レズニックは、1986年1月28日に打ち上げられたチャレンジャー号のSTS-51-Lミッションにも、同じくミッションスペシャリストとして参加しました。しかし、打ち上げ直後、チャレンジャー号は爆発し、乗組員7名全員が死亡するという悲劇に見舞われました。

彼女は、宇宙に行った最初のユダヤ系アメリカ人女性であり、ユダヤ人全体でもソ連のボリス・ヴォリノフに次ぐ2人目の宇宙飛行士でした。

遺産

レズニックの死後、彼女の功績を称え、多くの学校や研究施設に彼女の名前が付けられました。母校であるカーネギー・メロン大学には、彼女の名前を冠した寮があります。

IEEE（電気電子学会）は、1986年にジュディス・レズニック賞を設立しました。この賞は、宇宙工学分野で傑出した貢献をした個人または団体に贈られます。

月の裏側にあるクレーター「レズニック」や、エドワード・ボーエルが1984年に発見した小惑星「レズニック」も、彼女の名前にちなんで名付けられました。

彼女の生涯は、1990年のテレビ映画『チャレンジャー』をはじめ、多くのフィクション作品にも描かれています。ジュディス・レズニックは、その知性と勇気、そして宇宙への情熱によって、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。

[外部リンク]
Challenger Center bio
Archive.org Cache of Judith Resnik reference site (dead)
ジュディス・レズニック - Find a Grave（英語）
Biography of Judith Resnik from IEEE

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