ジョアン・ベーロ級フリゲート

ジョアン・ベーロ級フリゲートについて

ジョアン・ベーロ級フリゲート（Fragata classe Comandante João Belo）は、ポルトガル海軍に所属しているフリゲートであり、別名でコマンダン・ジョアン・ベーロとも呼ばれます。この艦級は、1970年代に植民地の独立宣言が相次いだ頃のポルトガルにおいて、アフリカ沿岸で活動していた艦艇の一つであり、フランスのコマンダン・リヴィエル級フリゲートの設計に基づいて建造されました。フランスで4隻が建造され、これらはポルトガル海軍の艦隊として活躍しました。

歴史的背景と運用

本級艦は、ポルトガルの植民地戦争時代において重要な役割を果たし、アフリカ沿岸に派遣されていました。植民地での活動が減少した後、1990年代中盤には近代化改修が行われ、装備やシステムが新たに更新されました。これは、海軍の作戦能力を向上させるための重要な取り組みでした。

近代化改修の内容

近代化の一環として、以下の主な改修が行われました。まず、C4I化が進められ、海軍戦術情報システム（SEWACO-FD戦術情報処理装置およびリンク11）が導入されました。これにより、情報の収集・分析能力が向上し、戦術的な意思決定が迅速に行えるようになりました。

次に、水測・水雷兵装の現代化が図られました。古いDUBA-3ソナーが新型のSQS-510に置き換えられ、フランス製の550mm魚雷発射管や305mm対潜臼砲も標準的なMk.32 mod.5 324mm3連装魚雷発射管に変更されました。これにより、艦の対潜能力が向上しました。

さらに、電子戦装置も更新されました。従来のARBR-10がAPECS-II/700 EWに置き換えられ、AN/SLQ-25ニクシーによる対魚雷デコイも装備されました。これらの改修によって、艦の防御力が強化されましたが、代償としてMle.53の100mm単装砲が一門撤去されました。

艦載機運用のための設備については、ハンガーや飛行甲板の設置が考慮されましたが、最終的にコストの問題から断念されました。

退役とその後

ジョアン・ベーロ級フリゲートは、3番艦の「コマンダン・ロベルト・イヴァンス」（F482）が事故によって早期退役した以外は、3隻全てが2000年代の中盤から後半まで運用されました。その後、オランダから購入した中古のカレル・ドールマン級フリゲートによって代替され、2008年までに運用を終了しました。なお、退役した艦のうち1番艦と4番艦はウルグアイ海軍で再就役しています。

まとめ

ジョアン・ベーロ級フリゲートは、単なる艦艇にとどまらず、ポルトガル海軍の歴史や植民地時代の背景を反映する存在です。近代化改修を経て、1990年代以降も活躍したことで、その重要性が再確認されている艦級です。

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