ジルザル

ジルザル：輝ける競走馬と種牡馬の生涯

ジルザル(Zilzal)は、アメリカ合衆国で生まれ、イギリスで卓越した競走馬としてのキャリアを築き、後に成功した種牡馬としても名を馳せたサラブレッドです。その華々しい競走生活と種牡馬としての功績、そして晩年までの人生を紐解いていきます。

1989年：衝撃的なデビューとG1競走連勝

ジルザルは1989年5月、レスター競馬場でのデビュー戦で圧倒的な強さを見せつけました。2着馬に10馬身差をつける圧勝劇は、その潜在能力の高さを予感させるものでした。続くジャージーステークスも4馬身差で制し、勢いは留まることを知りません。

7月には、ニューマーケット競馬場のクリテリオンステークス（G3）で2着馬に5馬身差をつける圧勝。そして、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークス（G1）では、名馬マークオブディスティンクションやウォーニング、シャーディーといった強豪を相手にレコードタイムとなる1分36秒77で勝利を収めました。

その後も快進撃は続き、9月のクイーンエリザベス2世ステークス（G1）では、同い年の近親馬ポリッシュプレセデントを3馬身差で退け、G1競走2勝目を達成しました。これらの活躍は、ジルザルがイギリス競馬界におけるトップクラスの競走馬であることを証明するものでした。

ブリーダーズカップマイルと年度代表馬

アメリカ遠征となったブリーダーズカップ・マイルでは、スタインレンに敗れ6着という結果に終わりましたが、それでも1989年のイギリスにおける年度代表馬、ならびに最優秀3歳馬に選出される栄誉に輝きました。これは、同年の2000ギニーステークスとダービーステークスの二冠馬ナシュワンを抑えた快挙でした。

種牡馬としての成功と晩年

競走馬引退後、ジルザルは1990年にアメリカ合衆国ケンタッキー州のゲインズボロー牧場で種牡馬としての生活を始めました。しかし、当初は生殖能力に課題を抱え、受胎率は50%に届きませんでした。

1996年には、イギリスのニューマーケットにあるランウェイズスタッドへ移動。そこで環境が変わったことで受胎率は向上し、2005年まで種牡馬として活躍しました。数々の優秀な産駒を輩出し、その遺伝子の力は多くの競走馬に受け継がれていきました。

2005年に種牡馬を引退した後は、アストンアップソープ牧場で余生を送り、2015年8月、老衰のため安楽死の措置が取られました。

代表的な産駒

ジルザルは、数々の活躍馬を輩出しました。その中でも特に有名な産駒には、以下の馬が挙げられます。

オールウェイズロイヤル（Always Loyal）：1997年プール・デッセ・デ・プーリッシュ優勝
アマングメン（Among Men）：1998年サセックスステークス優勝
フェイスフルサン（Faithful Son）：1998年プリンスオブウェールズステークス優勝
シャンクシー（Shaanxi）：1996年アスタルテ賞優勝

さらに、母の父としてグッドババ（Good Ba Ba：香港マイル、チャンピオンズマイル優勝）やカッポニ（Capponi：マクトゥームチャレンジラウンド3優勝）といった名馬にもその血を受け継がせています。

血統と未来への影響

ジルザルの血統背景には、ポリッシュプレセデント、オウインスパイアリング、トーワトレジャーといった著名な競走馬が含まれています。これらの遺伝子が複雑に絡み合い、ジルザルの類まれな能力が形成されたと考えられます。

ジルザルの競走成績や種牡馬としての成功は、現代競馬に大きな影響を与え続けています。その遺伝子は、多くの優秀な競走馬に受け継がれ、これからも競馬界で輝き続けるでしょう。その功績は、長く人々の記憶に刻まれることでしょう。

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