スウェーデン狂詩曲

ヒューゴ・アルヴェーン：スウェーデン狂詩曲

ヒューゴ・アルヴェーンが作曲した『スウェーデン狂詩曲』は、3曲からなる管弦楽曲です。各曲はスウェーデンの風景や文化、民謡を題材にしており、アルヴェーンの代表作として知られています。

第1番『夏至の徹夜祭』作品19

『夏至の徹夜祭』は、アルヴェーンの作品の中でも最も有名で、演奏頻度も高い楽曲です。1901年に作曲され、1904年に作曲者自身の指揮で初演されました。

曲はクラリネットによる主題で始まり、これはスウェーデンの民謡に基づいています。全曲を通して若者の一日を描写しており、夜明けの情景はイングリッシュホルンによって表現されます。演奏時間は約12〜14分です。

『夏至の徹夜祭』は、1953年にパーシー・フェイス、1954年にはマントヴァーニによってそれぞれ『スウェディッシュ・ラプソディ』として編曲され、世界的に知られるようになりました。日本では、かつてフジテレビで放送されていたバラエティ番組「はねるのトびら」内のコーナー「ほぼ100円ショップ」のBGMとして、マントヴァーニ編曲版が使用されていました。

また、1968年にはNHKの『みんなのうた』で『風のくれたひみつ（スウェディッシュラプソディ）』として合唱曲が放送されました。作詞は中原淳一、編曲は石川皓也が担当し、東京放送児童合唱団が歌い、木馬座が映像を制作しました。残念ながら、映像は現存していません。

第2番『ウプサラ狂詩曲』作品24

『ウプサラ狂詩曲』は、第1番に比べて演奏機会は多くありません。1907年にカール・フォン・リンネ生誕200年を記念して作曲され、同年5月23日にウプサラで初演されました。

ブラームスの『大学祝典序曲』に倣い、学生歌を引用して作曲されています。演奏時間は約11〜12分です。

第3番『ダラーナ狂詩曲』作品47

『ダラーナ狂詩曲』もまた、第1番に比べて演奏機会は多くありません。1932年にオルサ湖の景観からインスピレーションを得て、ダラーナ地方の民謡を素材として作曲されました。初演は1932年4月27日にストックホルムで行われ、作曲者自身が指揮を務めました。

ソプラノ・サクソフォンによって角笛の主題が提示され、その後、賑やかな結婚行進曲が現れます。演奏時間は約25〜30分です。

『スウェーデン狂詩曲』は、各曲がそれぞれの個性を持ちながらも、スウェーデンの豊かな自然や文化を感じさせる作品群です。ぜひ一度、全曲を通して聴いてみてください。

スウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」 作品19の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
スウェーデン狂詩曲第3番「ダラーナ狂詩曲」 作品47の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
NHKみんなのうた - 風のくれたひみつ（スウェディッシュラプソディ）

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