スカンドル・アクバ

スカンドル・アクバ：プロレス界に刻まれた名選手

スカンドル・アクバ（本名：ジェームズ・サイード・ウェッブ）は、1934年9月29日にテキサス州ヴァーノンに生まれたアラブ系アメリカ人のプロレスラーです。彼のキャリアは1963年にデビューするところから始まりました。アクバは、アラビア語で「アレキサンダー大王」を意味するリングネームに改名した後、ヒール（悪役）としての活動を本格化させました。特に中東のギミックを持つキャラクターとして、観客から熱烈な反響を受けました。

キャリアの初めからピークへ

アクバは1966年にフリッツ・フォン・エリックの助言を得て、リングネームをスカンドル・アクバに変更し、1967年10月にはNWAトライステート地区でダニー・ホッジと共にタッグ王座を獲得しました。その後、アクバはジョージアやフロリダなど、南部テリトリーを中心に活動を広げ、数々のレスラーとタイトルを競い合いました。

日本のプロレス界にも進出し、1970年1月に日本プロレス、1973年6月には国際プロレスに参戦。ジャイアント馬場やアントニオ猪木とタッグを組み戦闘を繰り広げました。特に国際プロレスでの金網デスマッチは記憶に残る名勝負となり、ファンの心に深く刻まれました。また、1975年にはオーストラリアでも活躍し、NWA豪亜ヘビー級王座を獲得するなど、国際的な名声を確立しました。

ヒールからマネージャーへ

1977年からアクバはヒールのプレイング・マネージャーに転身し、マネージメント業に専念するようになります。この転向により、1980年代にはダラスのWCCWを中心に活動を行い、エディ・グラハム主宰のCWFやビル・ワット主宰のMSWA（UWF）にも登場しました。1990年代にはダラスの新団体GWFに参加し、一時的にベビーフェイスとして旧敵ケビン・フォン・エリックをマネージメントしました。

アクバのマネージャーとしてのキャリアは20年以上にも及び、多くの若手レスラーを指導したことで知られています。彼が手がけた選手には、後のプロレス界を代表するスティーブ・オースチン、ミック・フォーリー、武藤敬司など、多くのスターが含まれています。

最晩年とその影響

晩年はテキサス州ダラス郡ガーランドに住み、地元のインディー団体でも試合に出場し続けていました。彼は2010年8月19日に前立腺癌のため75歳でこの世を去りました。

得意技とタイトル

アクバのリングでの技術は、特にキャメルクラッチや火炎攻撃（ファイアーボール）などがありました。

獲得したタイトルには、NWAトライステート版の北米ヘビー級王座やUSタッグ王座、ジョージア・チャンピオンシップ・レスリングの各種タッグ王座などがあり、彼は多くの栄光を手にしました。

スカンドル・アクバの影響は、アメリカのプロレス界において今でも強く残っており、彼のスタイルやキャラクターは多くの後進たちに影響を与え続けています。

もう一度検索