スグリ (植物)

スグリ（酸塊）

スグリ（学名: Ribes sinanense F.Maek.）は、スグリ科スグリ属に分類される落葉低木の植物です。古い分類体系であるクロンキスト体系では、ユキノシタ科に分類されていました。和名の由来は、その果実が持つ酸味と、丸い形状が割栗石やくりくり坊主を連想させることにあります。

特徴

スグリは、多くの枝が束になって生え、樹高は約1mまで成長します。葉の付け根には、1-3つに分かれた鋭い棘があるのが特徴です。樹皮は紫褐色をしています。

葉は互い違いに生え、短い枝では束生します。葉身は長さ、幅ともに2-4cmで、基部は切形から浅いハート形をしています。葉は3-5つに中裂し、それぞれの裂片はさらに3-5つに浅裂します。葉の両面と縁には毛が生えています。葉柄の長さは2-5cmです。

花は、前年の葉腋に1-2個咲き、葉が開くと同時に開花します。萼片は5個で、反り返るような形状をしています。花弁は長さ約5mmの細長い線形で、直立しています。花期は5-6月頃です。

果実は液果で、直径7-12mmの球形をしています。9月頃に赤紫色に熟し、食用可能です。

分布と生育環境

スグリは日本の固有種であり、長野県、山梨県、群馬県にまれに分布しています。特に群馬県では、レッドリストで絶滅危惧IB類に指定されており、その保護が重要視されています。

主に低山帯上部の林内、岩場や砂礫地に生育しています。

参考文献

太田和夫、勝山輝男、高橋秀男、茂木透他『樹に咲く花―離弁花〈2〉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉、2000年10月1日。ISBN 978-4635070041。
大森威宏『群馬県におけるスグリRibes sinanenseの分布と現状』（PDF）群馬県立自然史博物館。
牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。

外部リンク

スグリの標本 国立科学博物館標本・資料統合データベース

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