スズキ・S-CROSS

スズキ S-CROSS(エスクロス)解説



スズキが海外市場を中心に展開するクロスオーバーSUV「S-CROSS(エスクロス)」。初代は日本市場で「SX4 S-CROSS」として販売されていました。本記事では、その歴史と進化を詳細に解説します。

2代目 SX4 S-CROSS (2013年-2020年)



2013年3月のジュネーブモーターショーで発表された2代目「SX4 S-CROSS」は、前年のパリモーターショーで発表されたコンセプトカー「S-Cross」のデザインを色濃く受け継ぎつつ、市販モデルとしての実用性を高めたモデルです。

デザインとボディ



先代モデルのSX4と比較して、全長、全幅、全高、ホイールベースが拡大され、クラスもフルBセグメントからCセグメントへと移行しました。これにより、カーゴスペースは430Lまで拡大し、実用性が向上。先代に存在した4ドアセダンは廃止され、シアズが後継となりました。

エンジンとトランスミッション



エンジンは、1.6Lガソリンエンジン(M16A型)と1.6Lディーゼルターボエンジン(D16AA型)の2種類が用意されました。ガソリンエンジンには5MTとCVT、ディーゼルターボエンジンには6MTが設定されましたが、日本仕様車にはマニュアルトランスミッションとディーゼルターボエンジンは設定されませんでした。

4WDシステム「ALLGRIP」



新開発の4WDシステム「ALLGRIP(オールグリップ)」は、アクセル、操舵角、車速センサーの情報に基づき、車両の挙動変化を予測し、不安定になる前に対応するフィードフォワード制御を備えています。4つの走行モード(AUTO、SPORT、SNOW、LOCK)を切り替えることで、様々な走行状況に対応可能です。また、車両運動協調制御システムにより、横滑り傾向を抑制し、ESPと連携して安全性を高めています。

その他



ホイールは、PCD114.3、5H、ハブ径60mmは先代モデルと同じですが、固定方法がナット留めからボルト留めに変更されています。
生産はマジャールスズキで行われ、欧州、台湾、日本、中国インドなど、世界各地で販売されました。

各国での名称



名称は、ハンガリー、欧州各国、日本では「SX4 S-CROSS」ですが、台湾では「SX4 CROSSOVER」(前期型)、「SX4」(後期型)、中国、オーストラリア、インドでは「S-CROSS」と、地域によって異なっています。

年表



2012年8月: パリモーターショーにコンセプトモデル「S-Cross」を出品することを発表。
2012年9月: コンセプトモデル「S-Cross」を正式発表。
2013年3月: ジュネーブモーターショーで2代目SX4を世界初公開。
2013年9月: 「SX4 S-CROSS」の生産を開始。
2013年10月: ユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得。
2014年9月: ハンガリアン・クオリティー・プロダクト賞の「機械・車両部門賞」を受賞。
2015年2月: 日本市場で発売。
2015年8月: インドで販売を開始。
2015年9月: グッドデザイン賞を受賞。
2016年2月: 日本仕様車のボディカラーに新色を追加。
2016年9月: パリモーターショーで欧州仕様車のマイナーチェンジモデルを出品。
2017年4月: 上海モーターショー中国仕様車のマイナーチェンジモデルを出品。
2017年6月: 日本仕様車のマイナーチェンジを発表
2017年7月: マイナーチェンジモデル発売。トランスミッションが6ATに変更、内外装のデザインが変更。
2019年4月: 日本仕様車が一部仕様変更。安全装備が充実化。
2020年12月: 日本での販売が終了。


3代目 S-CROSS (2021年-)



2021年11月25日にフルモデルチェンジした3代目モデルが発表され、車名が「S-CROSS」に変更されました。

デザインとボディ



フロントフェイスは大型化されたグリルと3灯式LEDポジションランプが特徴的で、ボディサイドにはショルダーラインが施されています。内装は立体的な造形となり、9インチHDディスプレイオーディオが採用されています。

メカニズムと機能



「ALLGRIP」は引き続き搭載され、欧州仕様では48V SHVSマイルドハイブリッドが採用されました。安全機能も強化され、衝突被害軽減ブレーキ標識認識機能、車線逸脱抑制機能、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールなどが搭載されています。また、全方位モニターや後退時車両検知警報などの駐車支援機能も備わりました。

生産と販売



生産は2代目同様マジャールスズキが担当し、欧州を皮切りに、中南米、大洋州、アジアへ輸出されています。また、ストロングハイブリッドモデルの導入も発表されています。

ハイブリッドモデル



2022年10月24日、フルハイブリッドモデルが新たに設定されました。

まとめ



スズキS-CROSSは、時代とともに進化を遂げ、クロスオーバーSUVとしての魅力を高めてきました。そのデザイン、メカニズム、そして世界展開を通じて、多くのユーザーに支持されています。今後もスズキのクロスオーバーSUVとして、さらなる進化が期待されます。

SX4 S-CROSS グローバルサイト(英語)

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