スタナー

プロレス技：スタナー

スタナーは、プロレスにおける代表的な技の一つです。相手に背を向け、相手の顎を自身の肩に固定した状態で、自ら尻餅をつくことで相手にダメージを与えます。主に顎への衝撃、むち打ち、脳震盪などを引き起こすことを目的としています。

概要

この技は、ジョニー・エースが「エース・クラッシャー」として考案したものが原型とされています。その後、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンが自身の得意技として使用し、一躍有名になりました。オースチンが使用する際は、「ストーン・コールド・スタナー」とも呼ばれます。

スタナーは、受ける側の技量によって見栄えが大きく変わる技でもあります。例えば、ザ・ロックはスタナーを受けると、その身体能力を生かして大きく跳ね上がり、観客を沸かせました。また、ビンス・マクマホンやシェイン・マクマホンは、スタナーを受けた際に口に含んだビールを豪快に吹き出すパフォーマンスで、技をより一層引き立てました。

オースチンは、相手の下腹部や股間に蹴りを入れて前かがみにさせてからスタナーを繰り出すことが多く、これにより技の成功率を高めていました。

スタナーは、オースチンが以前使用していた「スタンガン」という技を発展させたものですが、それ以前にもボブ・アームストロングが「ジョージア・ジョー・ブレーカー」という類似の技を使用していたという記録があります。

応用技

スタナーには、様々な応用技が存在します。その中でも代表的なものとして、相手をコーナー最上段に座らせ、自身もセカンドロープに登って仕掛ける「雪崩式スタナー」があります。これにより、技の威力をさらに高めることができます。

主な使用者

以下に、スタナーの主な使用者を五十音順に列挙します。

ケビン・オーエンズ
サンティーノ・マレラ：相手の首を抱えて両足を前後に開脚する「サンティーノ・スタナー」を使用。
シベルネティコ
ジョニー・エース：初期のエース・クラッシャーとして使用。
ストーン・コールド・スティーブ・オースチン：ストーン・コールド・スタナーとして使用。
ディスコ・インフェルノ：ラストダンスの名称で使用。
デビッド・フィンレー：Prima Noctaの名称で使用。
マイキー・ウィップレック：雪崩式をウィッパー・スナッパー（ホイッパー・スナッパー）の名称で使用。
浅子覚
高木三四郎
田中将斗
石井智宏
神代龍也
藤田晃生：Abandon Hopeの名称で使用

派生技

スタナーには、様々な派生技が存在します。

スタンディング式：シェーン・ダグラス、オーランド・ジョーダンなどが使用。相手と向かい合った状態で顎を肩に押し当てて着地する。
スタナー・ツイスト・オブ・ヒューリー（スタナー・ツイスト・オブ・フェイト）：ジェフ・ハーディーのオリジナル技。DDTの体勢から反転してスタナーを繰り出す。
オリジナル・シン：ケビン・ソーンのオリジナル技。相手の足をロープに乗せてのスタナー。
ブレーンバスター式：小橋健太のブラック・クラッシュ、齋藤彰俊のデス・コレクター、スペル・デルフィンの大阪御堂筋スタナーなど。
ファイヤーマンズキャリー式：EC3のTK3スタナーなど。
バックパック式：エディ・エドワーズのチン・チェッカー、ライバックのオーバー・ザ・ショルダー・ボールダー・ホールダーなど。
前方回転式：田中将斗、中山香里のダイヤモンド・ダストなど。
フロートオーバー式：ダービー・アリンが得意とする。
スプリングボード式：ジョン・シナのスプリングボード・スタナー、リオ・ラッシュのカム・アップなど。
コークスクリュー・ダイビング式：エンバー・ムーンのイクリプス、フリップ・ゴードンのスター・スパングルド・スタナーなど。
カウンター式：ウィル・オスプレイ、マーク・アンドリュースなどが使用。

類似技

スタナーと類似した技として、カッターやチン・クラッシャーなどが挙げられます。

カッター：ダイヤモンド・ダラス・ペイジやジョニー・エースが得意とする技で、スタナーと同様に相手の頭部を肩口に固定しますが、尻餅をつく代わりに背面から倒れこみます。
* チン・クラッシャー：小川良成、ダイナマイト・キッドなどが繋ぎ技として使用する古典的な技です。相手の顎を自身の頭頂部に当てて、ジャンプして膝から着地することでダメージを与えます。

まとめ

スタナーは、プロレスの歴史の中で多くのレスラーによって使用され、様々な派生技が生まれてきた奥深い技です。そのシンプルな見た目とは裏腹に、高い技術と身体能力が求められる、プロレスの魅力を象徴する技の一つと言えるでしょう。

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