スプレイク

スプレイク (Salvelinus namaycush X Salvelinus fontinalis)

スプレイクは、オスの[カワマス]とメスの[レイクトラウト]を交配させて生まれたイワナ属の雑種です。北アメリカでは一般的にcharまたはcharrとして知られています。地域によってはウェンディゴと呼ばれることもあります。

スプレイクという名前は、カワマスの別名である'SP'eckled trout（小さな斑点の多いマス）と、レイクトラウトの'LAKE' troutを組み合わせたかばん語です。この名前は、1880年代には既に記録されていたようです(Kerr, S.J. 2000)。メスのカワマスとオスのレイクトラウトの交配も試みられましたが、良好な結果は得られませんでした(Sowards, 1959)。

特徴

スプレイクは遺伝的に安定しており、理論上は繁殖可能です。しかし、行動的な理由から、管理された孵化場環境以外での自然繁殖は非常に稀です。確認されている自然繁殖は、カナダのオンタリオ州、アルゴンキン州立公園にある5つの湖でのみ発生しており、いずれの場合も少数の子孫が確認されています。

この魚は、両親種の特徴を兼ね備えています。特に成長速度は両親よりも早く、稚魚放流から2年後には46cmに達することもあります。これは、同じ年齢のカワマスが約25cm、レイクトラウトが40cm未満であることと比較すると、際立った成長速度です。

スプレイクは他のサケ科魚類よりも「釣りやすい」と言われることがありますが、実際には長生きする傾向があり、特定の条件下では生き残る能力も持ち合わせています。最大サイズは約9kgですが、4kgを超える個体は珍しく、「トロフィーサイズ」と見なされます。

関連項目

タイガートラウト

参考文献

AYLES, B. (1974): Relative importance of additive genetic and maternal sources of variation in early survival of young splake hybrids (Salvelinus fontinalis x S. namaycush). J. Fish. Res. Bd. Canada 31: 1499-1502.
BERST, A.H., IHSSEN, P.E., SPANGLER, G.R., AYLES, G.B., MARTIN, G.W. (1980): The splake, a hybrid charr Salvelinus namaycush x S. fontinalis. In: BALON, E.K.(ed.): Charrs, Salmonid Fishes of the Genus Salvelinus. Dr. W. Junk bv Publishers, The Hague, 841-887.
KERR, S.J. (2000): F1 Splake: An Annotated Bibliography and Literature Review. Fish and Wildlife Branch, Ontario Ministry of Natural Resources, Peterborough, Ontario. 79p. + appendices.
* SOWARDS, C.L. 1959. Experiments in hybridizing several species of trout. Progressive Fish Culturist 21(4) : 147-150.

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