スペクトラム (日本のバンド)

スペクトラム (SPECTRUM)



スペクトラムは、1979年から1981年まで活動した日本のジャズ、フュージョン、ブラス・ロックバンドです。金管楽器を前面に出したスタイルで、日本の音楽シーンに新しい風を吹き込みました。彼らはアミューズに所属し、デビューから解散までの間に多くのファンを魅了しました。メンバーの一部は、解散後にBLUFFを結成するなど、音楽シーンで今もなお存在感を示しています。

来歴



スペクトラムは、最初に伊丹幸雄のバックバンド「ロックンロールサーカス」として活動し、その後あいざき進也のバックバンド「ビート・オブ・パワー」を務めました。その後、キャンディーズのバックバンド「MMP（ミュージック・メイツ・プレイヤーズ）」を経て独立し、トランペット奏者の新田一郎、兼崎順一、サックス奏者の中村哲によって「ホーン・スペクトラム」として結成されました。

1979年の初め、キャンディーズの「ファイナルカーニバル」後にメンバーが集まり、トランペット奏者の新田と兼崎は新たな取り組みを模索しました。彼らはMMPのベーシスト渡辺直樹と合流し、最終的に多様なメンバーを勧誘してスペクトラムを結成します。デビューに向けて、1979年5月12日から6月8日にかけてアメリカ・ロサンゼルスでデビューアルバムをレコーディングし、7月22日には西武球場でライブデビューを果たしました。

デビューシングル「トマト・イッパツ」とアルバム「SPECTRUM」を同年8月にリリースし、チャリティーコンサートにも出演しました。スペクトラムのサウンドは、EW&F風のブラス音楽と新田のファルセットボーカル、ギタリスト西のロック系ボーカル、ベーシスト渡辺のAOR系ボーカルのハーモニーを特徴としていました。また、彼らの楽曲はシカゴやブレッカー・ブラザーズからの影響を受けており、特に新田はシカゴの音楽に強い感銘を受けたと語っています。

その後も活発なライブ活動を続けながら、2ndアルバム『OPTICAL SUNRISE』や3rdアルバム『TIME BREAK』を制作し、様々な音楽イベントに出演しました。面白いことに、彼らは派手なコスチュームを着用し、振り付けを取り入れたパフォーマンスで知られ、一部では「色物系バンド」として誤解を受けることもありました。このようなダイナミックなパフォーマンスは、多くの観客の目を引きました。

4thシングル「SUNRISE」は、プロレスラーのスタン・ハンセンの入場曲として一世を風靡し、現代でも着メロとしても使用されている人気の高い楽曲です。しかし、1981年7月5日に新宿厚生年金会館で発表されたコンサートで活動停止が宣言され、9月22日には武道館でのファイナルコンサートをもって解散しました。

解散後



スペクトラムのメンバーたちはそれぞれ異なる道へ進みました。リーダーの新田はソロ活動を展開しつつ、芸能プロダクションの経営にも乗り出しました。渡辺と岡本はAB'Sを結成し、再びバンド活動を再開しました。吉田はレコーディングエンジニアに転身し、奥は作編曲家としてアニメ作品等の楽曲制作を行うようになりました。解散後、1991年にはオリジナルアルバムのCD化が進み、再結成やトリビュートライブも行われるなど、ファンからの支持は続いています。

その後ほどなくして、メンバー間での交流が継続し、何度か再結成の噂も立ちましたが、全員が揃って公の場に姿を見せることはありませんでした。しかし、吉田はアマチュアミュージシャン向けに講習会を企画し、若手の育成に力を入れました。彼の活動を通じて、スペクトラムの楽曲が多くの新しい世代に伝わることとなりました。

エピソード



スペクトラム解散の背景には、アルバム制作における方針の違いやメンバー間の意見の不一致があったと言われています。新田は解散を決定する過程を振り返り、ファンに対しての最後のメッセージとしていくつかの楽曲を制作しました。また、ファンとの関わりも忘れずに続けてきました。2013年にはスペクトラムの特集が組まれ、メンバーからのインタビューも収録されるなど、彼らの音楽は今なお多くの人々に支持され続けています。

メンバー




それぞれのメンバーは解散後も音楽活動を続け、個々の道で活躍し続けています。

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