スマノダイドウ

スマノダイドウ：地方競馬を駆け抜けた伝説の競走馬

スマノダイドウは、日本を代表するアングロアラブの競走馬にして、種牡馬として名を馳せた伝説的な存在です。1970年代の地方競馬シーンを席巻し、その競走能力はサラブレッドにも匹敵するほどでした。さらに、種牡馬としても類まれな成功を収め、7回もの日本リーディングサイアーの栄冠に輝いています。彼の生涯は、数々のドラマと謎に彩られた、地方競馬史に残る輝かしい物語です。

謎に包まれた誕生

スマノダイドウの父は、アラブ血量50%のアングロアラブ種であるミトタカラ、母はサラブレッド系のトキノメジロでした。しかし、彼の誕生には不可解な点がいくつかあります。サラブレッド顔負けの競走能力を持ちながら、両親が栗毛であるにもかかわらず、スマノダイドウ自身は鹿毛であったのです。これは遺伝学の常識から外れるものであり、そのため「テンプラ疑惑」という影が付きまといました。彼の出自は、いまだ謎に包まれています。

華麗なる競走馬時代

1972年、3歳（当時）のスマノダイドウは佐賀競馬場でデビュー。当初は「ダイニトキタカラ」という馬名でした。佐賀では5戦全勝と圧倒的な強さをみせつけ、その後兵庫競馬に移籍し、「スマノダイドウ」と改名します。兵庫でも連勝を重ね、さらには大井競馬場のアラブダービーを制覇するなど、数々の勝利を収めました。

しかし、彼の競走生活は順風満帆ではありませんでした。1974年には、当時の兵庫の古馬最強馬と謳われたタイムラインとの対戦が注目を集めた「園田事件」と呼ばれるアクシデントに見舞われ、競走不成立という結果に終わります。その後は一時的に低迷する時期もありましたが、大井競馬場に移籍後は再び活躍を見せ、重賞競走を制覇するなど、最後まで高い競走能力を維持しました。そして1975年、全日本アラブ大賞典で2着に入線した後、引退を迎えました。

種牡馬としての成功

引退後は種牡馬として北海道で活躍しました。1976年から1996年まで、多くの優秀な競走馬を輩出し、1983年から1992年にかけて7回も日本リーディングサイアーに輝くという偉業を達成しました。彼の産駒は、アラブダービーや楠賞全日本アラブ優駿といった重要なレースを制覇し、日本の地方競馬に大きな足跡を残しました。スマノダイドウの血統は、現在も日本のアングロアラブ生産に影響を与え続けていますが、近年は生産頭数が減少しているのが現状です。

伝説への系譜

スマノダイドウの母方の血統には、東京優駿（日本ダービー）で惜しくも2着に終わったメジロオーの血も流れています。メジロオーは種牡馬としては成功しませんでしたが、スマノダイドウを通じて、その血脈はアングロアラブ界に受け継がれ、大きな影響を与えたと言えるでしょう。スマノダイドウの物語は、才能と努力、そして謎に満ちた、地方競馬界の伝説として語り継がれることでしょう。

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