スミス・エルダー・アンド・カンパニー

スミス・エルダー・アンド・カンパニーの歴史と業績

スミス・エルダー・アンド・カンパニー（Smith, Elder & Co.）は、1816年に創立されたイギリスの出版社で、1917年までの約100年間にわたり、数多くの影響力のある著作を出版してきました。創設者はジョージ・スミスとアレクサンダー・エルダーで、特にロマン主義とリアリズムの時代に活躍した作家たちと密接に関わっていました。この出版社は、後の世代にも大きな影響を与える文学作品を取り扱い、『英国人名事典』の刊行でも知られています。

創立と運営の変遷

スミス・エルダー・アンド・カンパニーは、創立当初から文学に重きを置き、特に1816年から1830年代にかけて多くの著作を世に出しました。創設者のジョージ・スミスは、この出版社を通じて新しい文学を育て上げることに貢献しました。1843年には、スミスの息子であるジョージ・マレー・スミスがその運営を引き継ぎ、さらなる発展を遂げました。

1894年にスミス家に新たな血が加わり、レジナルド・J・スミスが参入しました。彼は1899年に事業を引き継ぎましたが、残念ながら1916年に彼が亡くなると、スミス・エルダー・アンド・カンパニーは売却の運命を迎えることとなりました。1917年にはジョン・マレー社がその権利を取得することになり、出版社としての役割は終わりを告げました。

出版物の多様性

この出版社の名は、特にヴィクトリア朝期の著名な作家たちの作品と結びついています。スミス・エルダー・アンド・カンパニーは、ロバート・ブラウニング、ジョージ・エリオット、エリザベス・ギャスケル、トーマス・ハーディなどの著作を幅広く取り扱っていました。また、チャールズ・リードやジョン・ラスキン、アルフレッド・テニスン、そしてジョージ・ギッシングなど、様々なジャンルの著名な作家たちと深い関係を築いていました。

また、この出版社の名を広めた一因に、『英国人名事典』の出版が挙げられます。この名著は1917年にオックスフォード大学に譲渡され、その後はオックスフォード大学出版局として知られることになります。この辞典は、多くの人々が学び、参照する基盤となりました。

さらに、スミス・エルダー・アンド・カンパニーは雑誌も出版しており、1841年に『ロンドン・アンド・エディンバラ・マガジン』、1859年には『コーンヒル・マガジン』を発行しました。これらの雑誌は、当時の文化や文学の潮流に影響を与え、読者に様々な視点を提供していました。

まとめ

スミス・エルダー・アンド・カンパニーは、その出版活動を通じて、19世紀のイギリス文学の形成に大きく寄与しました。多くの名作を世に送り出し、文化的な遺産を築いたこの出版社の歴史は、今日においても文学研究や出版の分野で重要な示唆を与えています。彼らが出版した多くの作品や辞典は、今後の世代へと受け継がれるべき貴重な財産です。

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