ズヴェズダ (ISS)

ズヴェズダ：ISSの中核を担う多機能モジュール

ズヴェズダ（ロシア語で「星」の意味）は、国際宇宙ステーション（ISS）を構成する重要なモジュールの一つで、サービスモジュールとも呼ばれます。ISSにおけるロシア部分の構造的・機能的な中心であり、居住空間や生命維持装置など、ISSの活動に不可欠な様々な機能を担っています。RKKエネルギアによって建造され、ピアースを除く現時点では唯一のロシア資金で建造されたモジュールです。

起源と設計

ズヴェズダの基本構造は、1980年代中頃に宇宙ステーション「ミール2」の中核部として設計されました。ミールの中核モジュールとズヴェズダは同じレイアウトを持ち、その設計は初期の宇宙ステーション「サリュート」にまで遡ることができます。ズヴェズダは工場では一時「ミール2」と呼ばれていました。立体骨組は1985年2月に完成し、内部の主要機器は1986年10月までに設置されました。

構造

ズヴェズダは、後方から順に、ドッキングポートが1つある円筒形の「移送チャンバ」、移送チャンバの周りにある非与圧の「組立区画」、乗員が作業し居住する円筒形の「作業区画」、ドッキングポートが3つある球形の「移送区画」から構成されています。

• - 移送チャンバ: ソユーズ宇宙船、プログレス補給船、欧州補給機とのドッキングに使用されるドッキング機構を備えています。
• - 組立区画: スラスタ、アンテナ、推進剤タンクなどの外部設備が装備されています。
• - 移送区画: ザーリャモジュールに接続し、他のドッキングポートには科学電力プラットフォーム（SPP）や汎用ドッキングモジュール（UDM）が接続される予定でしたが、現在はピアースとミニ・リサーチ・モジュール2（MRM-2）が接続されています。この区画はエアロックとしても使用され、過去に2回の船内EVAが行われています。
• - 作業区画: 2人の宇宙飛行士用の個室、NASAから提供されたトレーニング用のトレッドミルとエアロバイク、トイレなどの衛生施設、調理設備、飲料水供給設備を備えています。また、誘導や航法に使用されるロシアのコンピュータも搭載されています。14個の窓があり、前方の移送区画に3つ、作業区画に1つ、各個室に1つずつあります。さらに、エレクトロンシステム（電気分解で酸素を生成）とヴォズドゥフシステム（二酸化炭素を除去）も搭載されています。

居住空間とシステム

作業区画は、2人の宇宙飛行士のための個室、運動器具、衛生設備、調理設備、飲料水供給装置など、宇宙飛行士が快適に生活するための環境を提供します。エレクトロンシステムは酸素を生成し、ヴォズドゥフシステムは二酸化炭素を除去します。ズヴェズダは騒音が問題となることがありましたが、防音設備の設置により改善されています。

ISSへの接続

2000年7月12日にプロトンロケットで打ち上げられたズヴェズダは、2000年7月26日にザーリャの後部にドッキングし、ISSの3番目の構成要素となりました。この打ち上げには、ピザハットのロゴが描かれ、初の宇宙広告の一つとして話題になりました。2000年9月11日には、スペースシャトルSTS-106の乗組員がズヴェズダとザーリャ間のケーブル接続を行い、ズヴェズダの最終的な接続が完了しました。翌日には、乗組員が初めてズヴェズダ内部に入りました。ズヴェズダの接続により、ISSでの長期滞在が可能になり、第1次長期滞在クルー3名がISSへ向かい、恒久滞在が始まりました。

打ち上げ時のリスク

ロシアの財政問題により、ズヴェズダはバックアップや保険なしで打ち上げられました。このリスクに対応するため、NASAは暫定制御モジュール（ICM）を建造しましたが、幸いにもズヴェズダは成功裏に打ち上げられました。これにより、ISSは乗員が恒久的に滞在できる環境を整えることができました。

仕様

• - 全長: 13.1m
• - 最大径: 4.15m
• - 質量: 19,050kg
• - 太陽電池パネルの全幅: 29.72m
• - 電力系統: 太陽電池

ズヴェズダは、ISSの長期的な運用において、重要な役割を果たし続けています。

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