セバスチャン・テルフェア

セバスチャン・テルフェア（Sebastian Telfair, 1985年6月9日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン区出身の元バスケットボール選手です。身長183cm、体重75kgで、ポジションはポイントガードを務めていました。従兄弟にも元NBA選手のステフォン・マーブリーがいます。

テルフェアは、ブルックリンのエイブラハム・リンカーン高校を卒業後、当初はリック・ピティーノが指揮するルイビル大学への進学も検討されましたが、最終的には2004年のNBAドラフトでポートランド・トレイルブレイザーズから全体13位で指名を受け、NBA入りを果たしました。高校時代には、マクドナルド・オールアメリカンに選出されるなど、その才能は早くから注目されていました。

ルーキーイヤーとなった2004-05シーズンは、68試合に出場し、シーズン後半にはデイモン・スタウダマイアーとのツインガードで先発出場も果たしました。特に先発に定着してからは、得点能力やアシスト能力を発揮し、注目を集めました。しかし、2年目の2005-06シーズンは、開幕から先発出場したものの、チームはなかなか勝利に恵まれず、地元メディアからは厳しい評価を受けることもありました。12月には右手親指の故障で12試合を欠場し、その間にスティーブ・ブレイクが台頭したことで、先発の座を奪われる形となり、復帰後はベンチからの出場が続きました。

2006年7月28日、テルフェアはレイフ・ラフレンツ、および同年のドラフト7位指名選手であるランディ・フォイ（後にミネソタ・ティンバーウルブズへトレード）との交換でボストン・セルティックスへ移籍しました。しかし、2006-07シーズンは、周囲の期待に応えるほどの成長を見せることはできませんでした。シーズン終了後の2007年7月31日には、ケビン・ガーネットとのトレードで、テルフェアを含む5選手がミネソタ・ティンバーウルブズへ移籍しました。ミネソタでは2シーズンプレーした後、ロサンゼルス・クリッパーズへトレードされました。

クリッパーズでは39試合に出場した後、ジードルナス・イルガスカス、アントワン・ジェイミソンを含む三角トレードで、クリーブランド・キャバリアーズへ移籍しました。

テルフェアは、そのキャリアの中で、コート外での騒動にも関わっています。2006年2月15日には、ボストンのローガン国際空港に到着したブレイザーズのプライベートジェットから、装填された拳銃が発見されるという事件がありました。拳銃はテルフェアの枕カバーから見つかりましたが、登録は恋人の女性の名前で行われていました。テルフェアは、間違えて違うバッグを持ってきてしまったと主張しましたが、マサチューセッツ州には厳しい銃規制の法律が存在したため、問題となりました。最終的に告訴はされなかったものの、NBAはリーグの団体交渉協定に違反したとして、テルフェアに2試合の出場停止処分を科しました。

また、2006年10月16日には、アメリカのヒップホップ・R&Bレーベル「デフ・ジャム」のメンバーであるファボラスがレストランで銃撃される事件が発生しました。防犯カメラには、事件発生前にテルフェアがファボラスの取り巻きと思われる人物から50,000ドル相当のチェーンを強奪される場面が映っており、銃撃事件との関連性が指摘されましたが、テルフェア本人は関与を否定しています。

2021年10月7日には、NBAの健康福祉給付制度から給付金を不正に搾取したとして、ニューヨーク南部地区で、テレンス・ウィリアムス、トニー・アレン、グレン・デイビス、シャノン・ブラウンら、他の元NBAプレーヤー17人と共に、保険金詐欺の罪で起訴されました。

テルフェアのキャリアは、その才能と同時に、数々の問題によって彩られたものでした。

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