セルウィリア・カエピオニス

セルウィリア・カエピオニス：カエサルが愛した女性、ブルトゥスの母

セルウィリア・カエピオニス（紀元前100年頃 - 紀元前42年以降）は、共和政ローマ末期に生きた女性です。彼女は、ガイウス・ユリウス・カエサルが最も愛した女性の一人として知られ、その美貌と知性でカエサルを魅了したと言われています。

生い立ちと家族

セルウィリアは、セルウィリウス氏族の小カエピオの娘として生まれました。祖父は大カエピオ、弟はクィントゥス・セルウィリウス・カエピオ、そして異父弟にはカエサルの政敵であったマルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス（小カト）がいます。また、息子マルクス・ユニウス・ブルトゥスは、カエサル暗殺事件に関与したことで知られています。

プルタルコスによれば、セルウィリアの先祖は、独裁官ルキウス・クィンクティウス・キンキナトゥスの副官であり、当時王位を狙っていると噂されたスプリウス・マエリウスを斬り殺したガイウス・セルウィリウス・アハラであるとされています。

彼女は幼い頃に両親が離婚し、母方の叔父である護民官マルクス・リウィウス・ドルススの元で育てられましたが、9歳の時に叔父と死別しました。その後、2度結婚しており、最初はマルクス・ユニウス・ブルトゥス・マイヨル（大ブルトゥス）と結婚し、息子のブルトゥスを産んでいます。大ブルトゥスの死後、デキムス・ユニウス・シラヌスと再婚し、3人の娘をもうけました。

カエサルとの関係

セルウィリアがカエサルの愛人となったのは紀元前63年のことで、二人の関係はカエサルが暗殺される紀元前44年まで続きました。カエサルは彼女を深く愛し、惜しみない援助を与えたと言われています。また、彼女の娘テルティアをもカエサルに捧げたと噂されました。

息子ブルトゥスがカエサル暗殺の中心人物の一人であったことから、陰謀はセルウィリアの邸宅で行われていたと考えられています。しかし、第二回三頭政治の際には、彼女はプロスクリプティオ（追放刑）の対象とはなりませんでした。紀元前42年に息子ブルトゥスがフィリッピの戦いで自害すると、その遺灰は彼女の元に届けられたと伝えられています。

晩年

セルウィリアの没年は明らかになっていませんが、老衰で亡くなったと伝えられています。彼女の生涯は、共和政ローマ末期の激動の時代を反映しており、政治的な陰謀と愛憎が渦巻く世界で生き抜いた女性の姿を今に伝えています。

家族構成

最初の夫：マルクス・ユニウス・ブルトゥス・マイヨル
息子：マルクス・ユニウス・ブルトゥス
2番目の夫：デキムス・ユニウス・シラヌス
娘：ユニア・プリマ（プブリウス・セルウィリウス・ウァティア・イサウリクス (紀元前48年の執政官)の妻）
娘：ユニア・セクンダ（マルクス・アエミリウス・レピドゥスの妻）
娘：ユニア・テルティア（ガイウス・カッシウス・ロンギヌスの妻）

セルウィリアは、その美貌と知性、そしてカエサルとの関係を通じて、共和政ローマ末期の歴史に名を残した女性と言えるでしょう。

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