セルビア社会党

セルビア社会党：変遷と現状

セルビア社会党（Социјалистичка партија Србије）は、セルビア共和国の政党であり、その政治的立場は左翼ナショナリズムを基盤とする社会主義または民主社会主義政党とされています。

歴史

1990年、スロボダン・ミロシェヴィッチの主導により、セルビア共産主義者同盟とセルビア勤労人民社会主義同盟が合併し、セルビア社会党が誕生しました。同年の複数政党制導入後初の自由選挙で、250議席中194議席を獲得し、圧倒的な勝利を収めました。セルビア急進党などの極右民族主義勢力と連携し、権威主義的な与党としてミロシェヴィッチ政権を支え、クロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争における政権の大セルビア主義的な政策を支持しました。

経済・福祉政策においては、ユーゴスラビア共産主義者同盟時代の自主管理社会主義を継承し、市場社会主義を採用しましたが、徐々に民間セクターを拡大していきました。

2000年のブルドーザー革命でミロシェヴィッチが失脚すると、セルビア社会党も下野し、同年の国民議会選挙では議席を大幅に減らし、250議席中37議席の獲得にとどまりました。その後、2003年の議会選挙では22議席、2007年の議会選挙では16議席と、党勢は衰退の一途をたどりました。

しかし、2008年の議会選挙では党勢を回復し、20議席を獲得しました。選挙後、民族主義的な政策を抑制し、社会主義的な主張を前面に打ち出し、福祉政策などを中心に、ボリス・タディッチ大統領率いる民主党などの穏健派・親欧米派との連立政権を樹立し、8年ぶりに与党に復帰しました。党首のイヴィツァ・ダチッチは副首相に就任し、「脱ミロシェヴィッチ」を掲げて党の改革を進めました。

2012年の議会選挙では、統一年金党、統一セルビアと連携し、44議席を獲得しました。ダチッチは交渉の末、穏健右派のトミスラヴ・ニコリッチ大統領が率いるセルビア進歩党に提携先を切り替え、首相に就任しました。

現在、社会主義インターナショナルへの加盟を希望していますが、ミロシェヴィッチ時代の独裁的なイメージや、ボスニア・ヘルツェゴビナの加盟政党からの反対により、加盟の見通しは立っていません。

党勢の推移

国民議会議員選挙における結果は、上記の通り、結党当初の圧倒的な勢いから、一時的な衰退を経て、近年は政権の一角を担うまでに回復しています。

セルビア社会党は、その歴史の中で、政治的立場や政策を変化させながら、セルビアの政治において重要な役割を果たし続けています。

関連事項

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
ユーゴスラビア共産主義者同盟
ユーゴスラビア新共産党 (NKPJ)
共産主義者同盟―ユーゴスラビアのための運動
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外部リンク

* 党公式ページ（セルビア語）

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