センテンドレ

センテンドレ：芸術と歴史が息づくドナウの宝石

センテンドレ（Szentendre）は、ハンガリーのペシュト県に位置し、ドナウ川沿いの風光明媚な都市です。ブダペストのすぐ北に位置し、多くの博物館、画廊、そして芸術家たちが集まる場所として知られています。その美しい景観と、ブダペストからの良好なアクセスにより、多くの観光客が訪れる人気の観光地となっています。

多様な文化が織りなす歴史

センテンドレは、千年以上の歴史を持つ街です。古代ローマ時代には「ウルシシア・カストラ（狼の城）」と呼ばれていました。16世紀には、セルビア人のハンガリーにおける中心地として重要な役割を果たしました。当時、この地には8つのセルビア正教会の教会と3つのチャペルが存在し、ローマ・カトリックと福音主義の教会はそれぞれ1つずつでした。セルビア正教会は、この地をブダ教区としていました。

18世紀にオスマン帝国から解放されると、セルビア人、クロアチア人、スロバキア人、ドイツ人、ギリシャ人など、様々な民族の入植が再び始まり、ハンガリー人と共に暮らすようになりました。1720年のデータによると、人口の88%が南スラヴ人（多くはセルビア人）でした。今日でも、街の教会や路地には、当時のバロック建築の面影が残っています。

芸術の都としての魅力

センテンドレは、20世紀前半から多くのハンガリー人芸術家を輩出してきました。現在も、多くの美術館や現代的なギャラリーが存在し、芸術愛好家にとっては見逃せない場所となっています。

主な美術館：

アンナ・マルギット - アーモス・イムレコレクション
バルチャシ・イェネコレクション
ゾーベル・ベーラ美術館
フェレンツジ・カーロイ美術館
クメティ・ヤーノシュ美術館
コヴァークス・マルギットセラミックコレクション
ヴァイダ・ラヨシュ美術館
センテンドレ画廊
芸術家入植地画廊

これらの美術館では、様々なジャンルの芸術作品を鑑賞することができ、センテンドレの芸術的な魅力を存分に味わうことができます。

センテンドレゆかりの人物

センテンドレは、多くの著名な人物を輩出しています。

ヤコヴ・イグンヤトヴィック - 19世紀の小説家
ガヴリル・ステファノヴィック・ヴェンクロヴィック - 18世紀前半のセルビア人詩人、作家、啓蒙家
ヨヴァン・アヴァクモヴィック - 1748年センテンドレ生まれ。啓蒙時代のセルビア語詩人
* ベーラ・アパーチ・アブカロヴィックス - セルビア系ハンガリー人

これらの人物は、センテンドレの文化的な豊かさを示す証となっています。

アクセスと観光

センテンドレへは、ブダペストから郊外電車（HÉV）や船舶で簡単にアクセスできます。ブダペストからの日帰り旅行先としても人気があり、多くの観光客が美しい街並みや美術館、レストランなどを楽しんでいます。土産物店も充実しており、旅の思い出となる品々を見つけることができます。

センテンドレは、歴史、文化、芸術が融合した魅力的な都市です。ブダペストを訪れる際には、ぜひ足を伸ばして、その魅力を体験してみてください。

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