ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイス

伊勢シーパラダイスの歴史と特徴

伊勢シーパラダイスは、三重県伊勢市に位置する、生き物との距離の近さをコンセプトにした水族館です。元々は1965年にドライブインとして開業した二見浦観光センター内に、1966年に水族館が開業しました。その後、幾度かの改称やリニューアルを経て、2024年10月に現在の「ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイス」となりました。

開業から現在まで

1960年代、モータリゼーションと観光産業の発展に着目した山本龍男氏が、名古屋鉄道グループの出資を得て二見浦観光センターを開業しました。1966年には施設内に水族館がオープンし、その後、1989年の大規模改修で「二見シーパラダイス」としてリニューアル。さらに2016年には「伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス」と改称しました。

2015年には運営会社が名鉄グループから日本産業推進機構(NSSK)に変わり、2023年には株式会社さくらに全株式が譲渡され、運営体制が大きく変化しました。そして、2024年10月には、現在の「ゼロ距離水族館伊勢シーパラダイス」に名称を変更しています。

生き物との距離の近さ

伊勢シーパラダイスの最大の特徴は、なんといっても「生き物との距離の近さ」です。特に、鰭脚類（ききゃくるい）と呼ばれるアザラシ、アシカ、セイウチなどの海獣類との触れ合いが人気です。1990年代から行われているセイウチのショーでは、観客のいる広場にセイウチが登壇し、芸を披露したり、記念撮影に応じたりしています。また、トドやセイウチが水槽の外に出て、お客様の目の前でパフォーマンスを披露する「ふれあい水族館」としての側面も持ち、他の水族館にも影響を与えました。

ユニークな取り組み

2000年からは、「ツメナシカワウソとの握手」が始まりました。これは、カワウソが餌を求めて手を伸ばす動作を利用し、お客様との握手を可能にしたもので、他の水族館にも広まったこの試みの元祖です。さらに、イルカがボールで遊び出す「イルカのキャッチボール」も人気で、イルカが観客にボールを投げてキャッチボールを楽しむことができます。

飼育員のブログ

2003年からは、ほぼ毎日更新される飼育員執筆のブログが始まりました。現在ではアメーバブログで公開されており、飼育されている動物たちの日常や、飼育員の視点での水族館の様子を知ることができます。

過去の飼育記録

過去には、ミナミゾウアザラシの「丸子」が国内最長飼育記録を更新し、飼育期間は世界最長記録でもありました。また、ノコギリエイやツメナシカワウソの「チィ」も、国内最長飼育記録を更新し続けていましたが、残念ながら死亡しています。

受賞歴

伊勢シーパラダイスの飼育動物は、サンシャイン水族館が主催するSNS「いきものAZ」の企画で、数々の賞を受賞しています。

第一回カワウソゥ選挙（2017年）：1位 ブブゼラ（ツメナシカワウソ）
第一回ヒレアシ甲子園（2018年）：1位 ヒマワリ（セイウチ）
* 第二回カワウソゥ選挙（2018年）：1位 きらり＆ひらり（ツメナシカワウソ）

これらの受賞がきっかけで、2018年のゴールデンウィークには入園者数が急増し、伊勢市長からセイウチのヒマワリに感謝状が贈られました。

交通アクセス

伊勢シーパラダイスへは、三重交通CANばすまたは路線バスで「夫婦岩東口」停留所を下車後、徒歩約1分です。また、JR参宮線二見浦駅からは徒歩約20分です。

まとめ

伊勢シーパラダイスは、生き物との距離の近さを体験できるユニークな水族館です。歴史と伝統を守りながら、常に新しい試みを取り入れている伊勢シーパラダイスで、ぜひ特別な体験をしてみてください。

もう一度検索