ゾイドバトルカードゲーム

『ゾイドバトルカードゲーム』(ZOIDS BATTLE CARD GAME) は、トミー（現タカラトミー）が発売したトレーディングカードゲームで、人気シリーズ『ゾイド』の世界観を基にしています。2000年に販売が開始され、第二次大陸間戦争を背景に、ヘリック共和国とガイロス帝国の二つの陣営に分かれて戦うという設定です。

ゲーム概要

このゲームは、単なるカードゲームではなく、ボードゲームの要素も取り入れたユニークなシステムが特徴です。プレイヤーは、40枚から60枚のカードで構成されたデッキを使い、ゾイドの駒をマップ上に配置して戦います。各ゾイドは「ゾイドカード」で表現され、能力を強化する「カスタマイズカード」や、ゾイドのパイロットを表す「パイロットカード」、戦略的に使用する「イベントカード」を組み合わせて戦術を練ります。

ゲームの勝敗は、相手のゾイドを全て破壊するか、基地を破壊することで決まります。カードにはランクがあり、Sランクが最も強力で入手が困難です。ゲームバランスは完璧とは言えず、強力なカード1枚で状況が大きく変わることもありました。特に、手札を増やす効果のあるイベントカード「補給部隊」は、その強力さから批判の対象となることもありました。

特徴

このTCGの魅力の一つは、過去のゾイドシリーズに登場したものの、キットとしては復刻されていない機体がカード化されたことです。旧シリーズの1/72スケール組み立てキットで、未復刻だった機体がカードとして数多く収録されています。しかし、カード化されたからといって必ずしもキットが復刻されるわけではなく、TCGには収録されたものの、キット化されていないゾイドも多く存在します。

カードに描かれたゾイドのイラストも様々で、旧シリーズの写真を加工したものや、旧キットを流用、再塗装したものなどがあります。中には、旧シリーズや再販版とは異なるカラーリングで描かれたゾイドも存在します。

また、他のゾイド関連商品やイベントとの連動が多く、組み立てキットにカードが同梱されたり、『月刊コロコロコミック』の付録としてカードが提供されたりしました。『別冊コロコロコミック』では、溝渕誠による漫画「ZOIDSバトルカード戦士コマンダーTERU」とのタイアップも行われました。

しかし、ゾイド新シリーズの低迷とともに、取り扱い店舗は減少し、第6弾でシリーズは終了しました。キットへのカード同梱も同時に終了しました。

ゲームシステム

ゲームはターン制で進行し、プレイヤーは山札からカードを補充しながら、ゾイドの駒を操作して戦います。サイコロによる命中判定があり、運の要素も絡みます。共和国軍は機動力や近接格闘に優れたゾイドが多く、帝国軍は遠距離戦を得意とするゾイドが多いという特徴があります。

移動要塞カードも存在し、それらは特殊な能力を持っています。例えば、共和国の移動要塞はゾイドを収納して移動力を上げたり、防御力を高めたりする能力を持ちます。一方、帝国の移動要塞は、水上での移動力が高かったり、特定の攻撃を防いだりする能力を持っています。

販売形態

スターターパックは、カード、マップ、ゾイドの駒など、ゲームを始めるために必要なものが全て揃ったセットでした。ブースターパックは、カードとゾイドの駒が入ったパックで、全6弾が発売されました。また、アニメ『ゾイド』や『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』のセル画を使用した「エキサイティングブースター」も発売されました。その他、雑誌付録やキット同梱など、様々な形でカードが配布されました。

その他

ゲームデザイナーの南郷隆が携わっており、『ゲームぎゃざ』誌で連載やパイロットカードの原案読者公募が行われました。この公募で採用されたキャラクターが、後のパイロットカードとして登場しました。

プレイステーション用ソフト『ゾイドバトルカードゲーム 西方大陸戦記』も発売され、ゲームシステムが再現されました。このゲームには、オリジナルカードも収録されています。

カードのイラストは、上山道郎や幡池裕行、緒方剛志など、多くの作家が担当しています。また、『別冊コロコロコミック』で連載された漫画『ZOIDSバトルカード戦士コマンダーTERU』では、このカードゲームを題材としたストーリーが展開されました。

ユージンから発売されていたカプセルトイ『ゾイドコレクション』は、このTCGの駒として使用することもでき、ゲームをより魅力的にしました。

『ゾイドバトルカードゲーム』は、その独自のシステムとゾイドの世界観で、多くのファンを魅了しました。現在でも、そのカードはコレクターアイテムとして人気があります。

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