タイガー戸口

タイガー戸口：リングを駆け抜けた不屈の魂

タイガー戸口（本名：表 正徳）は、1948年2月7日生まれ、東京都葛飾区出身の元プロレスラーです。在日韓国人としてのルーツを持ち、キム・ドク、タイガー・チャン・リーなど、数々のリングネームでプロレス史にその名を刻みました。日本プロレスから全[[日本プロレス]]、新[[日本プロレス]]、さらにはアメリカのNWA、AWA、WWFといった主要団体で活躍し、国際的な舞台で東洋人ヒールとしての地位を確立しました。

生い立ちとプロレス入門

修徳高等学校時代はバスケットボールと柔道に打ち込み、柔道では大学からのスカウトも受けるほどの実力者でした。しかし、1967年3月12日、大木金太郎の紹介により日本プロレスに入門。同時期に柔道からプロレスへ転向した坂口征二との関係もあり、柔道界との摩擦を避けるため、約半年間韓国で修業を積みました。帰国後、1968年8月30日に後楽園ホールで柴田勝久を相手にデビュー。カール・ゴッチのレスリング教室で鍛えられた技術は、アントニオ猪木の新技「卍固め」の実験台に抜擢されるほどでした。

キム・ドクとしてアメリカへ

1972年末、日本プロレス崩壊の兆しが見え始めた頃、アメリカへ武者修行に出発し、キム・ドク（Kim Duk）と名乗り、ロサンゼルスを拠点に東洋系の大型ヒールとして各地を転戦しました。NWAトライステート地区ではグリズリー・スミスとの抗争、スタン・コワルスキーとのタッグでUSタッグ王座を獲得。1974年にはWWAでミツ荒川とタッグを組み、数々の強豪と対戦しました。1975年からはAWAに進出し、バーン・ガニアのAWA世界ヘビー級王座にも挑戦。ビル・ロビンソン、マッドドッグ・バションらと激闘を繰り広げました。

全[[日本プロレス]]への参戦と鶴田とのライバル関係

1976年10月には一時帰国し、大木金太郎との師弟コンビで全[[日本プロレス]]に参戦。ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田組を破り、インターナショナル・タッグ王座を奪取しました。その後も大木とのコンビでインターナショナル・タッグ王座を2度獲得。特にジャンボ鶴田とはライバルとして激しい戦いを繰り広げ、UNヘビー級王座を巡る戦いは、全[[日本プロレス]]初期の名勝負として語り継がれています。

新[[日本プロレス]]への移籍とアメリカでの活躍

1981年、IWGPへの参加を表明し新[[日本プロレス]]へ移籍。しかし、猪木とのシングルマッチは、ラッシャー木村らの乱入や、ハンセン対アンドレ戦の陰に隠れ、不運な結果となりました。その後は再びアメリカを拠点とし、1983年からはタイガー・チャン・リー（Tiger Chung Lee）と名乗り、WWFに参戦。ハルク・ホーガンとも対戦するなど、ジョバーとして活躍しました。

その後

1990年代にはキム・ドクとして日本の各団体に参戦、WARでは覆面レスラー「青鬼」としても活躍しました。メキシコのUWAではヤマト（Yamato）に変身し、UWA世界ヘビー級王座を獲得。2001年には全[[日本プロレス]]に復帰するも長くは続かず、2002年にセミリタイア。2009年には蝶野正洋の興行で往年の雄姿を見せ、2018年にはWEWヘビー級王座を獲得するなど、70歳を超えてもなおリングに上がり続けました。

2022年5月31日、ジャンボ鶴田23回忌追善興行で引退試合を行い、プロレスラーとしてのキャリアに幕を下ろしました。引退後は警備会社を設立する意向を示していましたが、2024年8月24日、タッグマッチで復帰。今後はアメリカでプロレスラーとしての活動を行うことを表明しています。

タイガー戸口は、その波瀾万丈なプロレス人生を通して、多くのファンに感動と興奮を与え続けました。リングを去っても、彼の魂はプロレス界に永遠に語り継がれるでしょう。

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