タウンマネージメント機関

タウンマネージメント機関（TMO）とは

タウンマネージメント機関（Town Management Organization, TMO）は、中心市街地における商業活性化をマネジメントする組織です。複数の主体が関与する街づくりにおいて、各方面との調整を行い、事業をプロデュースする役割を担います。TMOは、1998年（平成10年）に制定された「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律（中心市街地活性化法）」によって導入されました。

この法律では、TMO構想を作成し、市町村の認定を受けた事業者を「認定構想推進事業者」、すなわちタウンマネージメント機関と定めています。TMOの設立主体は、商工会議所や商工会、第三セクター機関などが想定されています。なお、この組織名称は「マネージメント」と長音表記するのが正式です。

中心市街地活性化法とTMO

TMOは、中心市街地活性化策の目玉として導入されましたが、2006年6月には「中心市街地活性化法」が改正され、新法に移行しました。その背景には、TMOによる活性化策が、事業実施体制や効果測定において不十分であったという課題がありました。実際に効果が認められたケースも少数にとどまっていたという指摘もあります。

TMOが機能しなかった理由

TMOが十分に機能しなかった理由としては、以下の点が挙げられます。

商業環境の悪化: 大型店の進出や他の商業地との競争激化により、中心市街地の衰退に歯止めがかからなかった。
人材不足: TMOには、利害関係者の合意形成など高度なマネジメント能力が求められる一方、そのような能力を持つ人材が不足していた。
財源不足: 自主的な収益事業を持たず、市町村行政の商業活性化事業の下請け機関となってしまった。
合意形成の遅れ: 事業実施にあたって関係者間の合意形成に時間がかかり、事業の進捗が滞りがちであった。
民間の協力不足: TMOの受け皿が行政寄りの機関であったため、地権者や商店街関係者など、民間の主体的な協力を得られなかった。
意思決定の遅さ: TMOの意思決定が遅く、迅速な対応ができなかった。
活性化策の陳腐化: 構想に盛り込まれた活性化策は、従来の対策の焼き直しが多く、市街地の再生を促す力に欠けていた。

TMOの事例

2005年1月15日時点で、全国で355の地区が認定され、195の計画が認定されました。

長野県茅野市：茅野TMO（茅野商工会議所）
滋賀県彦根市：彦根商工会議所内

参考文献

関連情報については以下を参照してください。

まちづくり3法
まちづくり福井: 福井県福井市のTMO
マイタウンクラブ: 神奈川県厚木市および周辺地域の地域情報ポータルサイト（TMOを目的とする）
コミュニティ・ビジネス
道路協力団体

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