コミュニティ・ビジネス

コミュニティ・ビジネスとは

コミュニティ・ビジネス（Community Business、略称：CB）は、地域が抱える課題に対し、その地域にある資源を有効活用しながら、ビジネスの手法を用いて解決を目指す事業活動のことです。

概要

コミュニティ・ビジネスは、地域社会（コミュニティ）におけるニーズや課題に応えることを目的としています。地域の人材、ノウハウ、施設、資金などを活用し、コミュニティの活性化、雇用の創出、人々の生きがいや居場所づくりに貢献します。また、コミュニティ・ビジネスの活動によって、行政コストの削減も期待されています。

この概念は、1999年に細内信孝氏によって著された「コミュニティ・ビジネス」で日本に初めて紹介されました。近年、コミュニティ・ビジネスは全国的に広がりを見せており、その経営主体はNPO法人、労働者協同組合、会社組織（株式会社、合同会社）、組合組織（LLP、協同組合）、個人事業主など多岐にわたります。

コミュニティ・ビジネスの社会的機能

コミュニティ・ビジネスは、以下の様な社会的な機能が期待されています。

行政の民営パートナー・協働パートナーの育成と行政コストの削減: 行政と連携し、公共サービスの担い手として、より効率的なサービス提供を目指します。
シニア、主婦、学生などによる社会起業家の輩出: 地域に根ざしたビジネスを通じて、多様な人々が活躍できる機会を創出します。
NPOや市民活動の自立化と継続性: ビジネスの手法を取り入れることで、活動の持続可能性を高めます。
地域経済の活性化、地域の特性を活かしたまちづくり、地域おこし: 地域資源や特性を活かした事業展開で、地域経済の活性化や魅力的なまちづくりに貢献します。

コミュニティ・ビジネスは、指定管理者制度、構造改革特区、市場化テストといった制度とも深く関連しており、新しい公共の担い手として、行政コスト削減と地域におけるきめ細かいサービス提供の両面で重要な役割を担うことが期待されています。

コミュニティ・ビジネスと関連する概念

コミュニティ・ビジネスは、社会的企業（ソーシャルビジネス）、社会起業家（ソーシャルアントレプレナー）、事業型NPO、非営利株式会社、労働者協同組合（ワーカーズコープ）などとも密接な関係があります。コミュニティ・ビジネスは特定の地域との結びつきが強い事業を指すことが多い一方、ソーシャルビジネスは環境や教育など、地域を超えた事業を指すことが多いですが、両者の活動領域は重複することも少なくありません。

コミュニティ・ビジネスは、事業である以上、単なるボランティア活動とは異なります。

コミュニティ・ビジネスの分野

コミュニティ・ビジネスは、以下のような幅広い分野で展開されています。

まちづくり
環境
介護・福祉
IT
観光
地域資源活用
農業
就業支援

これらの分野で、地域ニーズに応じた多様な活動が展開されています。

まとめ

コミュニティ・ビジネスは、地域が抱える課題をビジネスの手法で解決する、地域活性化に不可欠な事業です。地域資源を最大限に活用し、地域社会の持続可能な発展に貢献することが期待されています。

参考資料

神戸大学経済経営学会編著『ハンドブック経営学[改訂版]』、ミネルヴァ書房、2016/4/11。ISBN 978-4623076734。

関連項目

社会的企業
社会起業家
1%支援制度
ベンチャー
生きがいしごとサポートセンター（兵庫県が行うコミュニティービジネスの推進制度）
中間支援組織

外部リンク

経済産業省 地域経済産業グループ
広域関東圏コミュニティビジネス推進協議会
NPO法人コミュニティビジネスサポートセンター
生きがいしごとサポートセンター（兵庫県）
コミュニティビジネス総合研究所
* コミュニティ・ビジネス・ネットワーク

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