タリンチャン駅

タリンチャン駅：タイ国鉄と都市鉄道が交差する要衝

タリンチャン駅（タイ語: สถานีรถไฟชุมทางตลิ่งชัน,英語: Taling Chan Railway Station）は、タイの首都バンコクのタリンチャン区に位置する、タイ国有鉄道（SRT）南本線とライトレッドラインの接続駅です。この駅は、バンコクとその周辺地域を結ぶ重要な交通拠点として機能しています。

歴史

タリンチャン駅の歴史は、1903年6月19日にタイ国鉄南本線のトンブリー駅 - ペッブリー駅間が開通した際に始まりました。この路線は、タイの鉄道網の初期段階を代表するものであり、タリンチャン駅は当時から重要な役割を担っていました。

1927年1月1日には、南本線と他の路線を接続するため、タリンチャン駅から分岐して北本線のバーンスー分岐駅へ至る連絡線が開通しました。これにより、タリンチャン駅は南本線の分岐点としての機能を持つようになりました。連絡線が開通後、南本線の旅客列車は主に北本線のフワランポーン駅へ、貨物列車はバーンスー操車場へ連絡線経由で発着するようになり、トンブリー駅発着の列車は一部のローカル列車のみとなりました。

2000年代に入り、バンコクの都市鉄道整備計画の中で、タイ国鉄南本線および東線沿いにバンコク近郊の東西を結ぶ路線「SRTライトレッドライン」が計画されました。2010年時点では第1期区間が着工され、2021年8月2日にはライトレッドラインのバーンスー中央駅（現在のクルンテープ・アピワット中央駅） - タリンチャン駅間で無料運行が開始され、タリンチャン駅は都市鉄道網の一員となりました。

駅構造

タリンチャン駅は、南本線とライトレッドラインのそれぞれのホームが並列に配置された地上駅です。南本線は単式ホーム2面2線、ライトレッドラインは島式ホーム2面4線を有しています。駅舎はホームの南側に位置しており、南本線のホームへは同じ階からアクセスできます。ライトレッドラインのホームへは地下通路を通ってアクセスする必要があります。

のりば

ライトレッドライン
バンバムル駅 (RW05) - タリンチャン駅 (RW06)
南本線
バーンラマート駅/バンバムル駅 - タリンチャン駅 - バーンチムピー駅

付近の交通

タリンチャン駅周辺は、鉄道だけでなくバスやタクシーなどの公共交通機関も利用可能です。また、駅周辺には市場や商店街があり、地域住民の生活を支える拠点となっています。

今後の展望

タリンチャン駅は、ライトレッドラインの開業によって、バンコクの都市鉄道網においてますます重要な役割を担うことが期待されます。今後の路線の延伸や駅周辺の再開発によって、より利便性が向上し、地域全体の発展に貢献することが期待されています。

まとめ

タリンチャン駅は、タイ国鉄南本線とライトレッドラインの接続駅として、バンコクの交通網において重要な位置を占めています。1903年の開業以来、歴史の中で路線の分岐点として、また都市鉄道網の一員として、その役割は変化し続けています。今後の発展が期待される駅の一つです。

参考資料

柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 （京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 （文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

* タイの鉄道駅一覧

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