ダイアナ・マルドア

ダイアナ・マルドア

アメリカ合衆国の女優、ダイアナ・マルドア（Diana Charlton Muldaur）は、1938年8月19日にニューヨークで生を受けました。マサチューセッツ州マーサズ・ヴィニヤードで幼少期を過ごし、ヴァージニア州に位置するリベラル・アーツカレッジ、スウィート・ブライアー・カレッジで学び、1960年に卒業しました。

大学卒業後、マルドアは名高い演劇指導者であるステラ・アドラーのもとで演技を本格的に学びました。その後、ニューヨークの舞台で女優としてのキャリアをスタートさせました。

彼女の活動は、特にテレビドラマの分野で広く知られています。数多くの人気シリーズに出演し、多様な役柄を演じ分けました。中でも代表的な役柄としては、アフリカでライオンを保護する活動家ジョイ・アダムソンを演じたドラマ『野生のエルザ』、そして、カルト的な人気を誇るSFシリーズ『新スタートレック』のセカンドシーズンで、エンタープライズ号の医療部長であるキャサリン・ポラスキー医師を演じたことが挙げられます。

『野生のエルザ』において、ジョイ・アダムソンの日本語吹替は女優の小林千登勢が担当しました。『新スタートレック』でポラスキー医師を演じた際には、声優の谷育子がその声を担当し、日本でも多くの視聴者に親しまれました。

また、マルドアは『宇宙大作戦』にも異なる役で複数回ゲスト出演しています。シーズン2では、機械に支配された惑星の住人アンを、シーズン3では不老不死の存在ミランダを演じており、それぞれ山崎左度子、来宮良子が吹替を担当しました。一つのシリーズで別々のキャラクターを演じるという、特異なキャリア経験も持っています。

他にも、西部劇ドラマ『西部二人組』や、日本では藤波京子や伊藤幸子が吹替を務めた人気刑事ドラマ『警部マクロード』に出演しました。さらに、法廷ドラマ『L.A.ロー 七人の弁護士』でも重要な役を演じ、その演技の幅広さと深さを示しました。

テレビアニメーションの世界でも活躍しており、人気シリーズ『バットマン』に声優として参加しています。

映画においても複数の作品に出演しています。ポール・ニューマン主演の『泳ぐひと』やスティーブ・マックィーン主演の『マックQ』（日本語吹替は平井道子）の他、『地獄の対決』、『最後の弾丸』、『悪を呼ぶ少年』、『奇跡の人』といった作品リストに名を連ねています。

舞台での基礎を築いた後、ダイアナ・マルドアは特にテレビのフィールドで長年にわたりその才能を発揮しました。SF、動物物語、刑事ドラマ、法廷ドラマなど、ジャンルを超えた活躍を見せ、アメリカのテレビドラマ史において確かな存在感を放つ女優の一人です。

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