ダイハツ・ネイキッド

ダイハツ・ネイキッド：個性と実用性を両立した軽自動車

1999年から2004年までダイハツ工業が生産・販売していた軽自動車、ネイキッド。その誕生は、1997年の東京モーターショーに参考出品されたコンセプトカーにまで遡ります。ショーでの高い評価を受け、市販化が決定。翌年の東京モーターショーで市販モデルが発表され、同年中に販売が開始されました。ベース車両は、当時フルモデルチェンジしたばかりのミラ（L700系）です。

個性的なデザインと高い機能性

ネイキッドのデザインコンセプトは「むき出しの素材感」。スクエアなボディラインや、むき出しのヒンジなど、無骨ながらも魅力的なスタイルが特徴です。バンパーやフロントグリルはボルト止めされており、容易に取り外しが可能。カーボンファイバー調のパーツに交換するなど、カスタマイズも容易でした。また、樹脂部品は小さく分割されており、擦り傷の修理もDIY感覚で行えるなど、実用面での工夫も随所に凝らされています。

キーシステムには、ドアを閉めて離れると自動的に施錠、近づくと自動的に解除されるキーフリーシステムを採用（一部初期型を除く）。これは、商用車での頻繁な乗降に対応したシステムで、宅配便などの業務用途での使用頻度の高さを反映しています。

全高は1,550mmに抑えられ、機械式立体駐車場にも対応。さらに、ミラ・ウォークスルーバンの設計を活かすことで、ムーヴよりも低いラゲッジルーム床高を実現しています。最低地上高は180mm（4WD車はリアデフ下端で150mm）と高く、雪道や悪路での走破性にも優れていました。

多彩なグレード展開と特別仕様車

ネイキッドは、標準車とターボ車の2グレードを基本に、様々な特別仕様車が設定されました。発売当初は、5速MTと4ATの組み合わせが用意され、上級グレードには、スモークドガラス、助手席SRSエアバッグ、キーレスエントリーなどが標準装備されていました。

その後、安全性能の向上や装備の充実を図るため、何度かマイナーチェンジが行われました。衝突安全ボディ「TAF」や安全インテリア「SOFI」の採用、助手席エアバッグ、プリテンショナー機構付フロントシートベルトなどの追加により、安全性は大幅に向上しました。また、環境性能にも配慮し、「良-低排出ガス車」や「超-低排出ガス車」の認定を取得したグレードも登場しました。

特別仕様車としては、「Sエディション」、「ターボX」、「＠1（アットワン）」、テリー伊藤氏がプロデュースしたモデルなど、個性豊かなバリエーションが展開されました。これらの仕様車では、専用デザインのホイール、インテリア、エクステリアパーツなどが採用され、ユーザーの選択肢を広げていました。

2003年11月に生産終了、2004年4月に販売終了となりました。後継車種はありませんでしたが、ダイハツ・テリオスキッド（2012年販売終了）や、2020年発売のダイハツ・タフトが、そのコンセプトを受け継いでいると言えるでしょう。生産台数は9万1549台でした。

ネイキッドという名前の由来

ネイキッド(NAKED)とは、英語で「全裸」、「むき出しの状態の」、「ありのままの」を意味します。その名の通り、ボディデザインは素材感を前面に出した、飾らないシンプルなスタイルを追求していました。

まとめ

ダイハツ・ネイキッドは、個性的なデザインと高い実用性を両立した、魅力的な軽自動車でした。多くの特別仕様車も登場し、ユーザーの多様なニーズに応えていました。その独特の存在感は、現在でも多くのファンを魅了し続けています。

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