ダイハツ・フェロー

ダイハツ・フェロー

概要

フェロー（Fellow）は、ダイハツ工業が1966年4月から1977年7月にかけて製造・販売していた軽自動車です。この車は、ダイハツが軽乗用車市場に初めて参入したモデルであり、初代と2代目の2種類が存在します。

初代 L37型 (1966年 - 1970年)

初代フェローは1966年11月に登場しました。このモデルは、既に商用軽自動車で成功を収めていたダイハツが、乗用車としての市場に挑戦する際の一歩となりました。グレードはスーパーデラックスとデラックスの二つが用意されていました。

このモデルは、スペース効率を重視しながらも、エンジンを縦置き配置し、FR方式を採用。搭載されたZM型エンジンは、ハイゼット用の2ストローク空冷2気筒エンジンを水冷化し、出力を23馬力に引き上げたものでした。サスペンションは前輪がウィッシュボーン式、後輪がダイアゴナル・スイングアクスルというユニークな構造を持っていました。

外観はプリズムカットと呼ばれる独特のボディ形状でデザインされ、大人4人が快適に乗れるスペースが確保されていました。さらに、トランクは外部ヒンジ方式を採用し、荷物の出し入れが容易でした。この初代モデルは、販売シェアを伸ばしつつも、競合するホンダ・N360の登場により苦境に立たされます。そのため、スポーツモデルの投入などの施策が取られましたが、必ずしも成功には至りませんでした。

2代目 L38型 (1970年 - 1977年)

1970年4月には2代目モデル、フェローMAXが登場しました。このモデルの型式はL38です。ボディバリエーションも豊富で、2ドアセダンや3ドアバン、さらにはハードトップや4ドアセダンが追加されました。

フェローMAXは、ホンダ同様に前輪駆動へと移行し、サスペンションには前輪ストラット式、後輪にはセミトレーリングアーム式を採用。安定性が向上し、運転の楽しさも増しました。このモデルは前作よりも軽量化が図られ、パワーは最強となる40馬力を発生しましたが、オイルショックや排出ガス規制の影響でエンジンの変更を余儀なくされ、パワーは徐々に低下していきました。

1970年にはツインキャブモデルやハイカスタムが追加され、1972年には4ドアセダンも新たにラインナップされました。しかし、1975年のマイナーチェンジでは、排出ガス規制に対応するためにパワーが減少し、需要がリッターカーへと移行していく中、人気は低迷していきました。

最終的に、1977年にはボディ幅が拡大され、名前も「MAXクオーレ」に変更され、フェローの名称は消えました。この2代目の生産台数は68万1200台に達しました。

まとめ

フェローは、ダイハツの軽自動車市場における重要な位置を占めるモデルであり、その独自の設計や進化は、多くの自動車ファンに愛されています。時代背景とともに変化する自動車産業において、フェローはその名を刻んでいます。

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