ダイハツ・MAX

ダイハツ・MAX：スポーティ軽自動車の挑戦

ダイハツ工業が2001年から2005年にかけて製造・販売していたMAXは、5ドアボディの軽自動車です。軽トールワゴンであるムーヴと、軽ハッチバックセダンであるミラ/ミラジーノの間に位置付けられ、全高を抑えたセミトールワゴンとして登場しました。機械式駐車場にも対応できるパッケージングが特徴です。

メカニズムと性能：

MAXは、ムーヴ(L900系)と共通のプラットフォームを採用。パワートレインは、659cc DOHCエンジンを3種類搭載していました。

EF-VE型：直列3気筒自然吸気エンジン（43kW/58馬力）
EF-DET型：直列3気筒ターボエンジン（47kW/64馬力）
* JB-DET型：直列4気筒ターボエンジン（47kW/64馬力）

トランスミッションは、5速MT、4速AT（ESAT）、CVTの3種類が用意され、最上級グレード「RS」にはフロントLSDが装備。4WD車には電子制御4WDシステム「サイバー4WD」が採用されました。多くのグレードでチルト・テレスコ機構付きステアリングが標準装備だったのもポイントです。

デザイン：

MAXのデザインは、イギリス人デザイナーが「草原を駆ける動物」をイメージして制作された初期案をベースに、ショートノーズ・ロングキャビンのウエッジシェイプが採用されました。特徴的な縦長のヘッドライトと楕円形のフォグライト、そして横長のテールライトが印象的です。テールライトのデザインについては、アルファロメオを模倣したとの指摘もありましたが、デザイナー側は否定しています。

グレード展開と販売状況：

MAXは、「L」「X」「R」「RS」といった複数のグレードが設定され、自然吸気エンジン搭載車からターボエンジン搭載車まで幅広い選択肢がありました。発売当初は月販目標6,000台でしたが、販売面では成功したとは言えず、2005年12月に販売終了となりました。その要因としては、ミラとムーヴに挟まれた中途半端なポジショニング、知名度の低さ、競合車種と比較した際の価格の高さが挙げられます。しかし、このクラスでは珍しかったMTが設定されていた下位グレードは比較的安価でした。

歴史：

2001年10月10日に発表、11月1日に販売開始。その後、マイナーチェンジや特別仕様車の追加などを経て、2005年11月に生産終了、同年12月に販売終了となりました。後継モデルとして、ダイハツはソニカを発売しましたが、公式にはMAXの後継車ではないとされています。

CMソング：

Tommy february6の「Can't take my eyes off of you」が使用されました。

車名由来：

「新しさ、楽しさを最大限（MAX）つめこんだクルマ」というコンセプトに基づいています。また、1970～1980年代に販売されていた「フェローMAX/MAXクオーレ」の後継車という位置づけでもありました。香港では「VMAX」として販売されていました。

まとめ：

MAXは、スポーティなデザインと走りを両立した個性的な軽自動車でした。販売面では苦戦しましたが、その存在感は、ダイハツの軽自動車の歴史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。 パワフルなエンジンや先進的な装備、そして個性的なデザインは、当時の軽自動車市場に新たな風を吹き込みました。しかし、市場のニーズや競争激化の中で、短い販売期間を終えることになったのです。その魅力と歴史を改めて振り返ることで、MAXの存在意義を再確認することができます。

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