ダットサン・mi-DO

ダットサン・ミ・ドー：ロシア市場に向けた小型ハッチバック

ダットサン・ミ・ドーは、日産自動車がロシア市場向けにダットサンブランドで展開していた小型ハッチバックです。2014年8月27日、モスクワモーターショーで初公開され、翌2015年1月から生産・販売が開始されました。兄弟車である4ドアセダンのダットサン・オン・ドーと共に、ロシア国内専売車として計画されており、輸出は予定されていませんでした。2020年、日産がロシアでのダットサン事業から撤退したことに伴い、ミ・ドーの生産も終了しました。

開発と製造

ミ・ドーの開発は、日産とロシアのアフトヴァース社による共同プロジェクトとして進められました。車両のベースとなったのは、アフトヴァースが製造するFFハッチバックであるラーダ・カリーナです。デザインは日産グローバルデザインセンター（厚木市）が担当する一方、開発と製造はアフトヴァースが主導しました。製造はアフトヴァースのトリヤッチ工場で行われていました。

車両の特徴

ミ・ドーは、オン・ドーと多くの共通点を持つ一方、ボディサイズに違いが見られます。全幅1,700mm、全高1,500mm、ホイールベース2,476mmといった主要寸法はオン・ドーと同一ですが、全長はオン・ドーの4,377mmから大幅に短縮され、3,950mmとなっています。この全長の違いにより、よりコンパクトなボディサイズを実現しています。

パワートレインは、オン・ドーと同様、アフトヴァース製の1.6L直列4気筒SOHC 8バルブエンジン（VAZ-11186型、最高出力87馬力）を搭載。トランスミッションは、フロア式の5速マニュアルトランスミッションが標準で、オプションとしてジヤトコ製の4速オートマチックトランスミッションを選択することができました。このパワートレインは、ロシア市場での需要とコストパフォーマンスを考慮して選択されたものと考えられます。

市場における位置づけ

ミ・ドーは、ロシアのコンパクトカー市場において、価格競争力と実用性を重視したモデルとして販売されました。デザインは、日産のデザイン哲学を取り入れつつ、ロシア市場の嗜好に合わせたものとなっています。兄弟車であるオン・ドーと同様に、ロシアの経済状況や消費者のニーズを反映した戦略的な製品でした。しかし、日産のロシア事業撤退により、その短い歴史に幕を閉じました。ミ・ドーは、日露両国の自動車産業の協力関係を示す象徴的なモデルとして、その歴史に名を残すことでしょう。

関連情報

日産自動車: ミ・ドーの開発元である日本の自動車メーカー
ダットサン: 日産自動車が展開するブランドの一つ
ラーダ・カリーナ: ミ・ドーのベース車両
ラーダ・グランタ: ラーダ・カリーナの兄弟車種
* ダットサン・オン・ドー: ミ・ドーの兄弟車種

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