ダニエル・タイス

ダニエル・タイス：献身的なプレイでチームを支えるドイツの職人

ダニエル・タイス（Daniel Theis）は、1992年4月4日生まれ、ドイツ・ニーダーザクセン州ザルツギッター出身のプロバスケットボール選手です。ポジションは主にセンター、またはパワーフォワードを務めます。

プロキャリア

NBA以前

2008年にドイツのバスケットボールチーム、ブラウンシュヴァイクでプロとしてのキャリアをスタートさせました。2013-14シーズンには、ドイツのプロバスケットボールリーグ（BBL）で最優秀若手選手賞を受賞。その才能を示しました。2014年の夏には、NBAサマーリーグにワシントン・ウィザーズの一員として参加し、NBAへの挑戦を試みました。ドイツ帰国後の8月には、国内リーグの強豪チーム、ブローゼ・バスケッツ（現 ブローゼ・バンベルク）と契約し、1年目の2014-15シーズンには、BBLファイナルで強豪FCバイエルン・ミュンヘンを破り、リーグ優勝を達成しました。

NBAでの活躍

ボストン・セルティックス

2017年6月19日、ダニエル・タイスはNBAのボストン・セルティックスと2年契約を結び、念願のNBA入りを果たしました。同年10月17日、シーズン開幕戦となるクリーブランド・キャバリアーズ戦で、控え選手としてNBAデビュー。翌18日のミルウォーキー・バックス戦で初めて試合に出場し、26日の同バックス戦では先発選手として初出場を果たしました。しかし、翌年3月11日のインディアナ・ペイサーズ戦で右膝半月板を負傷し、2017-18シーズンの残り全試合を欠場することとなりました。

シカゴ・ブルズ、ヒューストン・ロケッツ

2021年3月25日には、ワシントン・ウィザーズを含めた3チーム間のトレードでシカゴ・ブルズへ移籍。同年8月7日には、サイン・アンド・トレードでヒューストン・ロケッツへ移籍し、ロケッツと4年総額3,600万ドルの契約を結びました。

セルティックス復帰、ペイサーズ、クリッパーズ、ペリカンズ、モナコ

2022年2月10日、ブルーノ・フェルナンド、エネス・カンター・フリーダム、デニス・シュルーダーとのトレードで、古巣であるセルティックスへ再び移籍。しかし、同年7月9日にはマルコム・ブログドンとのトレードで、ニック・スタウスカス、アーロン・ネスミス、ジュワン・モーガン、そして2023年のドラフト1巡目指名権と共にインディアナ・ペイサーズへ移籍しました。その後、2023年11月17日にロサンゼルス・クリッパーズとの契約に合意、2024年7月9日にはニューオーリンズ・ペリカンズとの契約に合意しました。2025年2月5日、金銭との引き換えでドラフト1巡目指名権と共にオクラホマシティ・サンダーにトレードされましたが、翌日にサンダーからウェイブされました。2025年2月17日には、ユーロリーグとLNBエリートに所属するASモナコ・バスケットへの加入が発表されました。

ドイツ代表としての活躍

2014年にドイツ代表に初招集されて以来、中心選手として活躍しています。2017年のユーロバスケット、2019年FIBAワールドカップ、2022年ユーロバスケットなど、数々の国際大会に出場し、ドイツ代表を支えています。

プレースタイル

ダニエル・タイスは、オフェンスでは味方を生かすプレイを得意とし、ハイピックアンドロールオフェンスのスクリーナーとして重要な役割を担います。特に、優れたハンドラーやウィングの選手が多いチームにおいては、彼のハイピックスクリーンからオフェンスをスタートさせることが効果的です。スクリーンセット後は、ロールしてのリムアタック、ポップしてミドルジャンパーや3Pシュート、ペイント内でのコースを空けるスクリーンなど、状況に応じて多彩なプレイを選択します。

ディフェンスでは主にペリメーター内に待機し、相手の3Pへの対応とドライブレーンの封鎖に努めます。ペイント内へボールを入れられた場合は、機動力を生かして後方からブロックを行うなど、献身的なディフェンスが光ります。中間距離を意識することで、クローズアウト、リムプロテクト、ダブルチームなど、状況に応じた対応が可能です。

攻守両面で、スタッツには表れにくいものの、チームには欠かせないプレイを多くこなすため、過小評価されがちな選手ではあります。しかし、シャキール・オニールは「あの選手はすべてのプレイでコートを走り回っている」と、彼の献身性を高く評価し、『バードマン』の愛称で知られるクリス・アンダーセンと比較して絶賛しました。

ダニエル・タイスは、まさに縁の下の力持ちとして、チームを支える職人肌の選手と言えるでしょう。

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