ダヌムバレー保護地域

ダヌムバレー保護地域

ダヌムバレー保護地域は、マレーシアのサバ州に位置する、広大な低地フタバガキ林の保護区です。セガマ川の源流域に位置し、約438平方キロメートルの面積を有します。この地域は、人為的な影響が比較的少ない状態で維持されており、独特の生態系が保たれていることで知られています。

地理とアクセス

保護地域は、最寄りの町であるラハダトゥから西に約70キロメートル、車で約2時間（約97キロメートル）の距離にあります。ダヌム川が地域内を流れ、この川が名前の由来となっています。保護地域へのアクセスは、主に林道を利用します。

歴史と管理

保護地域に指定される以前は、人の定住はほとんどなく、狩猟や伐採などの活動も限定的でした。そのため、一帯は独特の生態系を維持してきました。現在は、サバ財団によって管理され、保護、研究、教育、自然研修の目的で利用されています。

施設とアクティビティ

ダヌムバレー・フィールドセンターは、1986年に開設された研究施設で、科学者や教育関係者が研究や教育目的で利用しています。また、1995年の保護地域指定後にオープンしたボルネオ・レインフォレスト・ロッジは、旅行者向けの宿泊施設として機能しています。このロッジを拠点に、ガイド付きのトレイル散策を楽しむことができ、特に野鳥観察が人気です。キャノピー・ウォークウェイは、高さ27メートル、全長300メートルの吊り橋で、熱帯雨林の林冠を観察するのに最適なスポットです。さらに、ナイトウォークやナイトドライブも人気のアクティビティです。

野生生物

ダヌムバレー保護地域は、多様な動植物が生息する貴重な場所です。特に、低地雨林には多くの鳥類や哺乳類が生息しており、2009年には新種のメガネハナドリが発見された唯一の場所でもあります。哺乳類は125種が記録されており、オランウータン、テナガザル、メガネザルなどの霊長類、シカ（スイロク）、ヤマネコ、希少なボルネオゾウなどが確認されています。また、マレーグマやスマトラサイなどの注目すべき種も生息しています。この地域は、これらの野生生物の保護にとって重要な役割を果たしています。



参考文献
浅間茂『フィールドガイド ボルネオ野生動物』講談社〈ブルーバックス〉、2005年。
安間繁樹『ボルネオ島 アニマル・ウォッチングガイド』文一総合出版、2002年。

外部リンク
* Danum Valley Field Centre

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