ダルス

ダルス（Palmaria palmata）

ダルスは、学名Palmaria palmata、英語ではdulseと呼ばれる海藻で、主に北大西洋の沿岸に自生しています。特にカナダやアイルランドでは、軽食や食材として利用されることが多いです。カナダのノヴァスコシア州では、ダルスが乾燥した形でスーパーで売られており、子供たちが自ら海で採取して洗浄し、乾燥したものをスナック感覚で楽しむ姿も見られます。また、太平洋北岸にも似た海藻が存在し、これは「あかはだ」または「あかはた」と呼ばれ、ダルス（パシフィック ダルス）として知られていますが、現在は品種の区別がつきにくくなっています。これに関しては、Palmaria mollisまたはDevaleraea mollisに分類されることが一般的です。

特徴

ダルスは、石やコンブの茎に仮根を吸着させる着生植物の一種です。その葉は平らで単条の形から始まり、成長と共に不規則に叉状に分岐し、最大で長さ50cm、幅3〜8cmに達します。この独特の形状は、食物連鎖の中で無くてはならない役割を果たすことに貢献しています。

食材としての特徴

ダルスは、ヨウ素や他のミネラル、ビタミン、抗酸化物質、タンパク質が豊富に含まれており、栄養価が高い食材として知られています。一般的に6月から9月の間に収穫され、細かいゴミを取り除く加工が行われます。乾燥させたり粉砕したりする商品もあり、国によっては、家畜の飼料としても使用されることがあります。

特筆すべきは、2015年にオレゴン州立大学のハットフィールド海洋科学センターで行われた研究です。研究者たちは、アワビの養殖用として栄養価の高く成長の早い太平洋ダルスの品種改良を行い、海藻の養殖に成功しました。炒めて食べてみると、なんとベーコンのような風味がすると発見し、特許も取得しています。

歴史

ダルスの最古の記録は、6世紀にアイオナ修道院の修行僧がこの海藻を収穫していたことに端を発します。長い歴史を経て、多くの地域で珍重され、美味しくて栄養豊富な食材の一部として位置づけられています。

関連項目

• - Dilsea carnosa: ダルスに似ており、長さ30cm、幅20cmに成長します。
• - アカバギンナンソウ（Mazzaella japonica）: 太平洋岸北部で収穫され、ダルスと呼ばれる紅藻。
• - ツルツル（Grateloupia turuturu）: 同じく太平洋岸北部で食される紅藻海藻で、アカハダとしても知られています。

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