ダルマバラ

ダルマバラ：早逝した皇太子の生涯

ダルマバラ（1264年6月29日 - 1292年5月25日）は、元の皇族であり、クビライの皇太子チンキムの次男として生まれました。彼のペルシア語表記は「Tarma Balā」です。父チンキムの死後、ダルマバラは祖父クビライの後継者候補として有力視されましたが、20代という若さで亡くなりました。

生涯

ダルマバラは、チンキムとコンギラト部族出身の妻ココジンとの間に生まれた3人の嫡子のうちの次男でした。兄にカマラ、弟にテムルがいます。幼い頃からチンキムのもとで手厚く育てられ、名門コンギラト部族出身のダギを妻に迎えるなど、皇孫として恵まれた環境に育ちました。

父チンキムはクビライの後継者として最有力候補でしたが、1286年1月に亡くなりました。すると、その息子である皇孫たちが後継者候補として浮上しました。中でもダルマバラはクビライに最も愛され、頻繁に宮廷に呼ばれたため、後継者候補として有利な立場にありました。

1291年、ダルマバラはクビライの命令で所領である河南の懐州へ赴きましたが、その途上で病を発症し、大都へ呼び戻されました。1292年初頭、クビライの移動宮廷が夏の都である上都へ移動した後も、ダルマバラは病気治療のため大都に留まりましたが、まもなく病死しました。

宗室と追諡

親王ダルマバラは、妃ダギとの間にカイシャンとアユルバルワダという2人の息子を残しました。弟のテムルの死後、1307年にカイシャンが即位すると、亡き父ダルマバラは昭聖衍孝皇帝と追諡され、廟号を順宗として皇帝に准ずる祭祀を受けました。

ダルマバラの血筋は、その息子たちが皇帝となったことで、その後の元朝の歴史に大きな影響を与えました。

家族構成

父: チンキム
母: ココジン
兄: カマラ
弟: テムル
后妃: ダギ
男子:
長男: アムガ
次男: カイシャン
* 三男: アユルバルワダ


ダルマバラは、若くして亡くなったものの、その存在は元朝の皇位継承に大きな影響を与えた人物として記憶されています。

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