チェコ共和国宇宙局

チェコ共和国宇宙局（Czech Space Office, CSO、チェコ語: Česká kosmická kancelář）は、チェコ共和国における宇宙関連活動を調整する機関として、2003年11月に設立されました。本部はプラハに置かれ、欧州宇宙機関（ESA）との連携を軸に、宇宙開発を推進しています。

歴史的背景

チェコの宇宙技術の歩みは、旧ソ連との共同ミッションに遡ります。1969年10月には、チェコスロバキアが開発した機器を搭載した初の人工衛星「インターコスモス1号」が打ち上げられました。さらに、1978年3月には、チェコスロバキア初の宇宙飛行士ウラジミル・レメックがソユーズ28号に搭乗し宇宙へ飛び立ちました。同年10月には、チェコ・スロバキア初の人工衛星「マギオン1号」も打ち上げられ、宇宙開発における存在感を示しました。その後も1988年には、ソ連の火星探査機「フォボス1号」にも参加しています。

1993年のビロード離婚を経て、チェコスロバキアはチェコ共和国とスロバキア共和国に分離独立し、新たな時代を迎えます。そして、2003年11月、チェコ共和国宇宙局（CSO）が教育青少年体育省の下に設立され、チェコにおける宇宙活動の新たなスタートを切りました。CSOは、管理委員会、監督委員会、執行委員会から構成され、執行委員会はESA担当、宇宙科学、産業技術、地球観測、通信航行、教育活動、広報など多岐にわたる機能を担っています。また、チェコ宇宙活動委員会（CBSA）の事務局も務めています。

現在の活動

現在のチェコは、宇宙科学技術において、通信、衛星ナビゲーション、地球観測、地図情報システム、小型衛星などの分野に力を入れています。国内には40以上の宇宙関連企業が存在し、活発な活動が展開されています。

ESAとの協力関係

チェコは欧州宇宙機関（ESA）との協力関係を重視しています。1996年にはESAと宇宙活動協力協定を締結し、2003年には協力国協定を締結しました。さらに、2004年にはESA協力国活動計画憲章を締結し、2008年7月にはESA条約参加に関する合意文書を締結しました。国内での批准を経て、2008年11月12日にはESAの正式加盟国となりました。

2009年度のESAへの拠出金は687万ユーロで、これは全体の0.19%に相当し、国別では19位となっています。

まとめ

チェコ共和国宇宙局（CSO）は、ESAとの連携を軸に、チェコの宇宙開発を牽引しています。旧チェコスロバキア時代からの宇宙開発の歴史を引き継ぎ、現在は様々な分野で宇宙技術の発展に貢献しています。

参考資料

* チェコ共和国宇宙局公式サイト

もう一度検索