チェコ共和国軍

チェコ共和国軍

チェコ共和国軍（チェコ語: Armáda České republiky）は、チェコ共和国の軍事組織であり、首相が率いる内閣の統制下に置かれています。大統領は名目上の最高司令官です。

歴史

1918年、第一次世界大戦の結果として独立したチェコスロバキア軍として編成されました。しかし、1939年のチェコスロバキア併合により軍は分散し、ポーランド軍、フランス陸軍、イギリス空軍、イギリス陸軍、赤軍などに加わりました。第二次世界大戦後、1945年末にはイギリス空軍から4個飛行隊がチェコスロバキアに帰還しました。

1950年代から1992年まで、チェコスロバキア人民軍として知られていました。1948年のチェコスロバキア政変後、西側諸国に属した軍人が追放され、ソビエト連邦の影響下で再編されました。チェコ事件では抵抗は行われず、ソ連によって再編されました。

冷戦時代を通じて、ソ連製の兵器を主軸としつつ、自国産の兵器で補完する体制を採っていました。特にチェコスロバキア地域は工業化が進んでおり、兵器製造も盛んでした。ジェット練習機L-29やL-39は、東西陣営を問わず高い評価を得ました。これらの機体は、西側諸国の最新機器を導入することで改良が進められ、L-59練習機やL-159軽攻撃機へと発展し、基本設計の優秀さを示しました。

チェコスロバキア解体に伴い、チェコ共和国軍は1993年に再創設されました。創設時の兵力は9万人でしたが、その後減少し、2012年には文官を含めて約3万人にまで減少しました。一方で、装備の近代化とより防衛的な性格への再編が進められ、2004年には徴兵制を廃止し、予備役の運用を開始しました。1999年3月12日には、北大西洋条約機構（NATO）に加盟しています。

チェコ共和国は国際連合と欧州安全保障協力機構の一員として、ボスニア・ヘルツェゴビナへの展開や湾岸戦争など、多くの作戦・活動に参加しています。

組織構成

軍は、プラハの参謀本部の下に第601特殊部隊、統合軍（オロモウツ）と支援コマンドを置いています。統合軍は、陸軍、空軍、訓練コマンドと直轄の技術部隊を持っています。

陸軍

陸軍は、機械化2個旅団と砲兵1個旅団の計3個旅団を保有しています。

空軍

空軍は、スウェーデン製のJAS 39 グリペン超音速ジェット多用途戦闘機と、自国製のL-159亜音速ジェット軽攻撃機を主力としています。回転翼機としては、旧ソ連・ロシア製のMi-24とその発展型Mi-35を運用しています。防空旅団も空軍の管轄下にあり、ストラコニツェに基地を置いています。

予備役

予備役は、チェコ共和国軍の一部であり、軍に対する好意的な感情を醸成しています。志願者は8週間の訓練を受け、年に3週間以下の勤務と、2週間までの非軍事的な危機に対する招集に応じます。予備役は海外派兵の対象とはならず、ミリタリーショーなどに動員されることがあります。予備役への志願資格は、過去に徴兵された人に限られます。

装備

チェコはヨーロッパ通常戦力条約の加盟国であり、保有する戦車、装甲戦闘車両、火砲、戦闘機、回転翼機の数に制限を受けています。

陸軍

戦車
レオパルト2A8 ×77両（調達中）
レオパルト2A4 ×28 14両（調達中）
T-72M4CZ ×30
装甲車両
CV90 ×239両（調達中）
パンデュールII ×126
イヴェコ LMV ×210
ディンゴ2 ×21
Nexter Titus ×62
火砲
ダナ 152mm自走榴弾砲 ×53
カエサル 155mm自走榴弾砲 ×62門（調達中）

空軍

戦闘機
JAS 39C/D ×14
L-159A ×16
F-35A ×24機調達中
輸送機
C-295M ×6
L-410UVP/FG ×6
練習機
L-39NG ×4機（調達中）
L-159T1/T2 ×8
回転翼機
AH-1Z ×10
UH-1Y ×10
* Mi-171Sh ×15

チェスカー・ズブロヨフカ国営会社の製品が小火器に多用されています。

制服

（制服に関する記述は省略）

階級

将官は大将以下の4階級、佐官、尉官はそれぞれ3階級。准士官は5階級、下士官は3階級、兵は2階級となっています。歴史上は、元帥や次帥など、より細分化された階級が存在しましたが、全てが同時に存在したわけではありません。

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