チキウ岬

チキウ岬の魅力

チキウ岬（チキウみさき）は、北海道室蘭市に位置する太平洋に面した美しい岬です。この岬は、自然の美しさと豊かな生態系を有しており、多くの観光客や地元の人々が訪れるスポットとなっています。

名称の由来

「チキウ」はアイヌ語の「（ポロ・）チケプ」（ci-ke-p、親である・断崖）に由来しており、これが転訛して地球岬（ちきゅうみさき）として知られるようになりました。この名称は、岬の険しい断崖やその美しい風景を感じさせます。

地理的な特徴

チキウ岬は、絵鞆半島の太平洋側に位置し、約14kmにわたって続く海抜100m前後の断崖絶壁が壮観です。この地域は「室蘭八景」の一つに選ばれており、絶景の丸い水平線が楽しめるため、特に元旦には初日の出を見物するために多くの人々が訪れます。また、普段でも観光客で賑わっており、多様な楽しみ方ができる場所です。

この岬は数々の景勝地としても評価されています。1985年に「北海道の自然100選」で最優秀に選ばれ、1986年には「あなたが選ぶ北海道景勝地」においても同様に高い評価を得ました。さらに1987年には「新日本観光地100選」で第1位を獲得し、2012年には「ハルカラモイ・マスイチ浜・トッカリショ」とともに国の名勝「ピリカノカ」に指定されました。

チキウ岬灯台

岬の象徴とも言えるチキウ岬灯台は、1920年に初点灯し、多くの観光客に親しまれています。この灯台は「日本の灯台50選」や「土木学会選奨土木遺産」にも選ばれ、その歴史と美しい姿が称賛されています。

自然環境の豊かさ

岬の西側に広がるチャラツナイまでの地域は、市の計画により約50haの緑地として整備されています。この「地球岬緑地」では、春になるとカタクリやエゾカワラナデシコ、オオバキスミレなど多様な花が咲き誇ります。また、周辺は渡り鳥の飛来地でもあり、ハヤブサの営巣地としても知られています。その他にも、キツツキなどの野鳥の観察ができるため、地域の探鳥活動も行われています。

岬のほぼ中心には水路があり、ここではエゾサンショウウオの繁殖が確認されており、非常に貴重な生息環境となっています。さらに、噴火湾ではホエールウォッチングも行われており、岬の周辺でもクジラやイルカが目撃されることがあります。

アクセスと施設

チキウ岬へのアクセスは便利で、JR北海道室蘭本線の母恋駅から道南バスの「地球岬団地」行きを利用し、終点で下車後、展望台まで徒歩約1.1kmの距離を歩くことになります。岬周辺には展望台やトイレ、売店、駐車場などの施設も完備されており、訪れる人々にとって快適な環境が整えられています。

このように、チキウ岬は自然の美しさと豊かな生態系、そして歴史的な価値を持つ地域です。北海道を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってこの壮大な風景と地元の文化に触れてみることをおすすめします。

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