チャナントール天文台

チャナントール天文台は、チリのアタカマ砂漠、サンペドロ・デ・アタカマの南50kmに位置する標高5104mの場所に建設された天文台です。この地域は、人の居住には適さない極限環境ですが、その乾燥した大気は、水蒸気による電波の減衰が非常に少ないため、サブミリ波などの短波長域での電波観測に非常に適しています。

この天文台は、ヨーロッパ南天[[天文台]]によって比較的近年建設が開始されました。アタカマ砂漠の奥地に位置し、交通の便も悪く建設が非常に困難な地域ですが、年間360日を超える晴天率と平均水蒸気量20％という天体観測に非常に適した環境のため、1980年代後半からチリ共和国との共同で、資材搬入のための道路整備やヘリコプターによる空輸などの開発が進められてきました。

現在、チャナントール天文台では、宇宙背景輻射の精密観測を行うCBI装置や、サブミリ波観測を行うAPEXなどが稼働しています。これらの観測装置に加え、近隣にはALMAやASTE望遠鏡、NANTEN-2などの観測装置も設置され、サブミリ波から近赤外線領域にかけての天体観測が活発に行われています。

さらに、東京大学のチームと地元チリのチームによる資材搬入道路の整備が進んだことで、チャナントール山頂にも新たな天体観測拠点が設置される予定です。

チャナントール天文台に設置された主な望遠鏡

宇宙背景放射撮像装置 (CBI): 宇宙背景輻射の精密観測を行う装置です。
アタカマ パスファインダー 実験機 (APEX): サブミリ波観測を行うための望遠鏡です。
アタカマ大型ミリ波[[サブミリ波干渉計]] (ALMA): ミリ波・サブミリ波帯で高分解能の観測を行うための巨大な干渉計です。

Pampa La Bola に設置された望遠鏡

ASTE望遠鏡: 日本の国立天文台が運用する、サブミリ波帯の電波望遠鏡です。
なんてん2: 名古屋大学が運用する電波望遠鏡で、主に南天の観測を行っています。

チャナントール山頂に設置予定の望遠鏡

東京大学アタカマ天文台: 東京大学によって設置される予定の新しい天文台です。

セロ・トコに設置された望遠鏡

アタカマ宇宙論望遠鏡: 宇宙論的な観測を目的とした望遠鏡です。


チャナントール天文台は、その過酷な環境にもかかわらず、天体観測における重要な役割を果たしています。これからも、この場所から多くの宇宙の謎が解き明かされることが期待されます。

関連施設

Purico Complex: チャナントール天文台を含む周辺の天文施設群の総称です。

関連項目

パラナル[[天文台]]
ラ・シヤ天文台
セロ・トロロ汎米[[天文台]]
超大型望遠鏡VLT

外部リンク

Llano de Chajnantor discussed on the APEX website
Llano de Chajnantor Observatory on wikimapia
* Decription of a trip to Llano de Chajnantor Observatory on BBC News

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