チャールズ・エリオット (外交官)

サー・チャールズ・ノートン・エリオットの生涯

サー・チャールズ・ノートン・エッジカム・エリオット（1862年1月8日 - 1931年3月16日）は、イギリスの外交官、植民地行政官、学者として知られています。彼は、1919年から1925年まで駐日英国大使として日本に在任しました。彼の生涯を通じて、エリオットは多くの国際的な舞台で活動し、著名な言語学者でもありました。

前半生と外交官としてのキャリアの始まり

エリオットはオックスフォードシャーの小村に生まれ、チェルトナム校を経て1880年にオックスフォード大学ベリオール・カレッジへ進学しました。在学中、彼は古典語学で優れた成績を収め、20もの言語を習得するなど、その語学能力を早くから示していました。1886年、彼はインド総督フレデリック・ブラックウッドとの出会いをきっかけに外交官としての道を歩み始めました。彼はサンクトペテルブルク、タンジール、イスタンブール、ワシントンなど多くの地で勤務しました。

1900年には英領東アフリカの高等弁務官に任命され、在任中にはケニア高地に白人居留地を建設することに尽力しました。しかし、これにより原住民のマサイ族との衝突が生じ、エリオットの態度は問題視されました。外務省からの警告があったにもかかわらず、彼は高等弁務官を辞職することになります。

その後、シェフィールド大学や香港大学で副学長を務め、学問の世界でも評価を受けることとなります。1918年にはシベリアでの弁務官としての役割を任され、混乱した時期においても見事な統率力を発揮しました。

駐日大使としての功績

1919年初め、エリオットは駐日大使に任命され、1920年4月に来日しました。日本とイギリスの間では日英同盟を継続するかどうかが大きな懸案であり、エリオットは同盟の存続を支持していました。しかし、第一次世界大戦の終結によるイギリスの脅威の減少や、アメリカ合衆国の意向もあってこの同盟の継続に対する疑念が生じていました。

1921年にはカナダなど自治領から同盟解消の声が挙がり、翌年ワシントン会議によって同盟は正式に破棄されてしまいます。エリオットは同盟の終了を惜しむ気持ちをカーゾン伯に伝えましたが、日英友好に尽力を続けました。特に1923年の関東大震災では、イギリス政府に援助を依頼し、復興活動に貢献しました。

しかし、シンガポールにおける海軍基地建設の問題が発生し、これが日英関係の緊張を招くことになります。エリオットは平和的な関係を維持するために、基地に関するメッセージが誤解を招かないようにするよう求める一方で、対米関係を重視する本国の外務省との衝突が続きました。

晩年と業績

最終的に、エリオットは大使を退任することになるが、帰国せずに日本に残り、奈良で日本仏教の研究に取り組みました。彼の健康が悪化したことで帰国の決意を固めますが、1931年3月16日、マラッカ海峡で旅の最中に亡くなりました。彼の研究成果である『日本仏教』は、亡き後に元部下のジョージ・サンソムの手によって出版され、多くの人々に影響を与えました。

栄典と著作

エリオットは聖マイケル・聖ジョージ勲章やバス勲章を受賞し、さらに枢密顧問官にも任命されました。彼の著作には、東アフリカやトルコに関する書籍を含む多くの重要な作品があり、戦後の日本における文化交流にも貢献しました。彼の業績は、今なお多くの人々に評価されています。

もう一度検索