チャールズ・F・スミス

チャールズ・ファーガソン・スミスは、1807年4月24日にペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれ、1862年4月25日にその生涯を閉じました。彼はアメリカ陸軍の職業軍人であり、米墨戦争と南北戦争という二つの重要な戦役で活躍しました。彼の軍歴は、卓越したリーダーシップと戦術的才能によって彩られています。

生い立ちと初期の経歴

スミスは、軍医の息子として生まれました。1825年に陸軍士官学校を卒業後、第2アメリカ砲兵連隊の少尉に任官されました。平時においては着実に昇進を重ね、その後、教官としてウェストポイントに戻り、1838年から1843年まで陸軍士官学校長を務めました。この時期に彼は、後の南北戦争で重要な役割を果たすことになるユリシーズ・グラントを教え子としています。

米墨戦争での活躍

米墨戦争では、ザカリー・テイラーとウィンフィールド・スコットの両将軍の下で砲兵大隊の指揮官として貢献しました。パロ・アルトの戦い、レサカ・デ・ラ・パルマの戦い、モンテレーの戦い、そしてチュルブスコの戦いにおいて、その卓越した指揮能力を発揮し、少佐から大佐へと名誉昇進を果たしました。終戦時には正規軍の中佐に昇進し、1848年までメキシコシティで警備隊として勤務しました。その後、1856年から1857年にはミネソタ州でのレッド川遠征隊を指揮し、1857年から1860年にはアルバート・ジョンストン将軍の下でユタ準州での任務に就きました。1860年から1861年には、自らユタ方面軍を指揮しました。南北戦争勃発時には、短期間ワシントン砦に駐屯するワシントン方面軍を指揮しました。

南北戦争での活躍

1861年に南北戦争が始まると、スミスはニューヨーク州コロンバス砦の指揮官として徴兵任務に就きました。同年8月31日に志願兵の准将に任官され、9月9日には正規軍の大佐として第3アメリカ歩兵連隊を指揮することになりました。その後、西部戦線に転属し、ユリシーズ・グラント准将のミズーリ方面軍の師団指揮官となりました。グラントはかつての教え子であり、この関係は時に気まずくなる可能性もありましたが、スミスは若い司令官に忠誠を尽くし、その関係を円滑にしました。

1862年2月のドネルソン砦の戦いでは、新入りの志願兵ばかりの師団を率いて見事な勝利を収めました。この戦いにおいて、スミスは兵士たちが臆している様子を見て、「こんちくしょう、諸君、コソコソ動く者がいる！ここではそんな奴はいらない！さあ行こう、志願兵達よ、さあ行こう！お前達にはチャンスだ！お前達志願兵が国を愛するために戦死する、今それが出来るんだ！」と力強く鼓舞し、兵士たちの士気を高めました。

スミスの経験、威厳、そして無私無欲な性格は、戦争初期のグラントにとって大きな支えとなりました。西部戦線の司令官であるヘンリー・ハレック少将は、グラントを信用せず、嫉妬心から彼を指揮官から事実上解任しようとし、スミスにテネシー川を遡る遠征隊の指揮を任じました。しかし、エイブラハム・リンカーン大統領の介入により、グラントは指揮官職に復帰しました。スミスはテネシー州サバンナでボートに飛び移る際に足に重傷を負い、野戦任務に就けなくなってしまいました。これにより、ハレックの行動は無意味なものとなりました。その後のシャイローの戦いでは、スミスの上級准将がスミス師団の指揮を執ることになりました。

死とその後

スミスは足の怪我による感染症と慢性的な赤痢により、サバンナで亡くなりました。彼の遺体はフィラデルフィアのローレルヒル墓地に埋葬されました。彼の早すぎる死は、北軍にとって大きな損失であり、シャイローの戦いでは彼の不在が特に痛感されました。スミスは、その死の1ヶ月前に志願兵の少将に昇進していました。モンタナ準州のパウダーリバー郡にあるC・F・スミス砦は、彼の功績を称えて名付けられました。

スミスの軍人としての生涯は、その勇敢さと優れた指導力によって際立っています。彼の名前は、アメリカの軍事史において重要な位置を占めています。

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