ツリフネソウ科

ツリフネソウ科（Balsaminaceae）は、双子葉植物に属する科であり、2属900種以上を含みます。そのほとんどがツリフネソウ属（Impatiens）に分類されます。古い文献では、ホウセンカ科（Balsaminaceae）と呼ばれることもありました。

特徴

ツリフネソウ科の植物は、多肉質で水分の多い草本であることが特徴です。花は左右対称で、多くの場合、距（きょ）と呼ばれる管状の突起を持ちます。萼片は通常5枚または3枚で、花弁と同様に鮮やかな色を持つことが多いです。花弁は5枚ですが、一部が癒合して3枚に見えることもあります。雄しべは5本、心皮は5枚（まれに4枚）です。

果実は蒴果（さくか）と呼ばれるタイプで、成熟すると勢いよく種子を弾き飛ばすものが多く、これはツリフネソウ属の大きな特徴です。ただし、一部の種（Hydrocera属）では液果をつけます。

分布

ツリフネソウ科の植物は、ユーラシア、アフリカ、北アメリカの熱帯から温帯地域に広く分布しており、特に熱帯アフリカや東南アジアに多くの種が見られます。

日本には、ツリフネソウ、キツリフネ、ハガクレツリフネの3種が自生しています。また、ホウセンカや、インパチェンス、アフリカホウセンカなどの園芸種も広く栽培されています。

分類

最新のAPG分類体系では、ツツジ目に分類されています。これは、系統関係の研究に基づいて決定されたものです。従来のクロンキスト体系では、形態的な特徴からフウロソウ目に分類されていました。

属

ツリフネソウ科には、以下の属が含まれます。

ツリフネソウ属（Impatiens）：ツリフネソウ、キツリフネなど
Hydrocera属

かつてはImpatientella属とSemeiocardium属も独立した属として扱われることがありましたが、現在では一般的にツリフネソウ属に含められています。

ツリフネソウ科の植物は、その独特な花の形や果実の構造、多様な生態から、多くの人々に親しまれています。

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