テフェリ・バンテ

テフェリ・バンテ：エチオピアの激動の時代を生きた軍人・政治家

テフェリ・バンテ（Tafari Benti, 1921年10月11日 - 1977年2月3日）は、エチオピアの政治家、そして軍人でした。彼は臨時軍事行政評議会（PMAC）の議長を務め、エチオピアの歴史における重要な時期にその名を刻みました。最終階級は陸軍少将です。

波乱の時代、国家元首へ

1974年、テフェリ・バンテは、クーデターによってエチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世を廃位しました。このクーデターは、長きにわたる帝政に終止符を打ち、エチオピアに新たな政治の時代をもたらしました。同年9月13日、テフェリ・バンテは国家元首に就任し、エチオピアの指導者としての道を歩み始めます。

しかし、彼の地位は決して安泰ではありませんでした。当初、実権を握っていたのはPMAC議長のアマン・アンドム中将でしたが、アンドム中将が殺害された後、11月28日にテフェリ・バンテがPMAC議長の座を引き継ぎます。しかし、真の実力者、それは軍部調整委員会を掌握していたメンギスツ・ハイレ・マリアムでした。テフェリ・バンテの国家元首としての権力は、メンギスツの存在によって大きく制約されていたと言えるでしょう。

突然の粛清、そして死

テフェリ・バンテの政治生命は、長くは続きませんでした。1977年2月3日、アスラト・デスタ陸軍中佐、ヒルイ・ハイレ・セラシエ陸軍中佐らと共に粛清（処刑）されます。国家元首の突然の死は、エチオピア国内に大きな衝撃を与え、その後の政局に大きな影響を及ぼしました。

テフェリ・バンテの生涯は、エチオピアの激動の時代を象徴しています。帝政の崩壊、軍事政権の成立、そして権力闘争と粛清。彼の短い政治生命は、エチオピア現代史における重要な一幕として、記憶されるべきでしょう。

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