テレコム・マレーシア

テレコム・マレーシア（TM）の概要

テレコム・マレーシア（Telekom Malaysia Berhad、略称：TM）は、マレーシアを代表する通信会社です。1946年に国立通信会社として創業し、固定電話やラジオ・テレビ放送事業を担っていましたが、放送事業の分離や民営化を経て、現在はブロードバンド、移動体通信など多岐にわたるサービスを提供しています。

歴史

創設初期

18世紀からマレーシアを統治していたイギリスによって、初期の通信インフラが整備され、その基盤は現在のTMに引き継がれています。当初は郵便電信局の管轄下で電信回線が敷設され、19世紀末には電話回線が導入されました。1880年代には、ペラでマグネトー式通信装置が使用され、1902年にはイポーにマレーシア初の電話交換機が設置されました。

1891年にはクアラルンプールで電話業務が開始され、20世紀に入るとペナンからジョホールバルまで回線が敷設されました。1915年にはイポー、タイピン、トゥルッ・アンソンを結ぶマレーシア初の地下回線が完成しました。

マレーシア半島での商業や都市開発の活発化に伴い、電話加入者数は急増しました。1930年にはクアラルンプールで自動交換機が導入され、1930年代には、短波通信を通じてジャワ島、フィリピン、アメリカ、カナダ、メキシコとの通信が可能になりました。1930年代末には、国際通信用の無線局がクアラルンプールの電話交換局に設置されました。

第二次世界大戦と戦後

第二次世界大戦中の日本占領下で、通信回線の多くが破壊されました。1946年にイギリスによるマラヤの植民地統治が再開され、幹線通信網の再整備が行われました。同年の4月には、マラヤ連合が成立し、電気通信事業を統制するマレーシア通信局と、郵便事業を扱う郵政局が設立されました。

マラヤ危機（1948年-1960年）の間は、公安と軍の通信網整備が優先され、ジャングルでの無線局設置やVHF波の利用が始まりました。1953年には警察無線網が整備され、当時世界最大級の警察無線業務となりました。また、危機下でありながら商業は発展し、通信需要は大幅に増加しました。クアラルンプールの電話交換局は拡張され、公衆電話ボックスの設置も進められました。1950年から1953年の間に通信局の収入は倍増し、電話加入者も2万人から3.9万人に増加しました。

1953年にはペナンに電話交換局が開局し、1954年にはシンガポールからマラッカ、クアラルンプール、ペナンを結ぶ中央幹線が開通しました。衛星回線局も開設され、マレーシアと世界を結ぶ国際通信も可能になりました。1963年にマレーシアが成立すると、包括的なマレーシア統合プログラムが開始され、通信局もその一翼を担いました。

現在の主な事業

テレコム・マレーシアは、現在以下の主要な事業を展開しています。

TMグローバル: 国内外の通信回線卸売事業
TM One: 通信、クラウド、データセンター、BPOなどの法人向け事業
unifi: 電話、ブロードバンド、テレビ配信、携帯電話などの個人家庭向け事業

これらの事業を通じて、TMはマレーシアの通信インフラを支え、デジタル社会の発展に貢献しています。

外部リンク

TM公式ウェブサイト（英語・マレー語）

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