ディスタンス・オーバー・タイム

ドリーム・シアターの14枚目のスタジオ・アルバム『ディスタンス・オーバー・タイム』は、2019年2月22日にリリースされました。前作『ジ・アストニッシング』から3年ぶり、インサイド・アウト・ミュージック移籍後初のアルバムとして、大きな注目を集めました。

今作は、前作の壮大なロック・オペラとは対照的に、ヘヴィな音作りが際立っています。ジョン・ペトルーシは、「自分たちのルーツに戻り、より有機的なアルバムを作ることを目指した」と語り、バンドが一体となって、ヘヴィでプログレッシヴな音楽を追求したことを強調しています。また、「今まで作ってきた中で最高のサウンドを持つドリーム・シアターの作品を作る」という明確な目標を掲げ、メンバー全員がその達成に向けて協力しました。

レコーディングは、ニューヨーク郊外の「ヨンダーバーン」というレコーディングスタジオで、4ヶ月間にわたって行われました。メンバーは寝食を共にしながら、密度の濃い時間を過ごし、その共同生活がアルバムのサウンドに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

リリース形態は、日本盤ではインストゥルメンタルCDとボーナストラックが付属したリミテッド・エディション（Blu-spec CD2仕様）と通常盤の2種類、アメリカ盤では特典付きのデジパック仕様アルバムと通常盤の2種類が用意されました。また、今作はボーナストラックを除くと、『イメージス・アンド・ワーズ』以来27年ぶりに収録時間が60分を下回るアルバムであり、『ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト』『イメージス・アンド・ワーズ』に次いで3番目に短いアルバムとなりました。

特筆すべき点として、2011年に加入したドラマーのマイク・マンジーニが、5曲目の『Room 137』で、ドリーム・シアター加入後初めて作詞を担当しています。これは、バンドの新たな一面を示す出来事と言えるでしょう。

アルバムからのリードシングルとして、2018年12月7日に「アンテザード・エンジェル」がリリースされ、ミュージックビデオも公開されました。その後、2019年1月11日に「フォール・イントゥ・ライト」、2月8日に「パラライズド」がシングルとしてリリースされ、アルバムへの期待を高めました。アルバムリリース後も、インサイド・アウト・ミュージックの公式YouTubeチャンネルで、ミュージックビデオが公開されています。

『ディスタンス・オーバー・タイム』は、ドリーム・シアターが原点回帰しつつも、新たな挑戦を試みた意欲作と言えるでしょう。メンバーの結束が生み出した、ヘヴィでプログレッシヴなサウンドをぜひ堪能してください。

参加メンバー
ジェイムズ・ラブリエ：ボーカル
ジョン・ペトルーシ：7弦ギター、エレクトリック・ギター、バッキングボーカル
ジョン・マイアング：6弦ベース（エレクトリックベース）
ジョーダン・ルーデス：キーボード
* マイク・マンジーニ：ドラムス、パーカッション

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