デインヒルダンサー

デインヒルダンサー：輝ける競走馬生活と、その後の種牡馬としての成功

デインヒルダンサーは、アイルランドで生まれ育ったサラブレッドの競走馬です。華々しい2歳時代を経て、種牡馬として大きな成功を収めたその生涯を紐解いていきます。

華麗なる2歳時代

1995年7月、デインヒルダンサーはデビュー戦を勝利で飾ります。そして、デビューからわずか1ヶ月後、フェニックスステークスを制覇。勢いに乗って挑んだナショナルステークスでも勝利し、アイルランドの2歳牡馬G1を全て制覇するという快挙を成し遂げました。続くイギリス遠征ではデューハーストステークスに出走しましたが、アルハースに大差をつけられ敗戦を喫します。

現役時代の苦悩

1996年を迎えたデインヒルダンサーは、G3グリーナムステークスで勝利を収めます。しかし、続く2000ギニーでは6着と惨敗。フランス2000ギニーでも9着と振るわず、その後は精彩を欠いたレースが続きました。1997年のG3デュークオブヨークステークス7着を最後に、現役生活に幕を閉じます。

種牡馬としての飛躍

1998年、デインヒルダンサーはクールモアスタッドで種牡馬入りします。初年度の種付料は4000愛ギニーと、大きな期待はされていませんでした。しかし、2001年にデビューした初年度産駒が、英豪のスプリントG1を制覇するなど、オーストラリアを中心に活躍を見せ始めます。

父であるデインヒルの死後、2003年からは父の後継として多くの優秀な繁殖牝馬との配合が実現。その結果、産駒の活躍はさらに加速し、英愛G1を4勝したマスタークラフツマンなど、数々のG1勝ち馬を輩出しました。その功績から、2009年には英愛リーディングサイアーの称号を獲得。種付料も初年度の20倍以上へと跳ね上がり、2007年と2008年には11万5000ユーロに達しました。

種牡馬引退とその後

2014年、受胎率の低下により種牡馬を引退。そして2017年3月11日～12日、24歳という年齢で老衰のため安楽死となりました。

デインヒルダンサー産駒の特徴

デインヒルダンサー産駒は、短距離からマイル前後を得意とする馬が多いです。しかし、配合によっては2400メートル前後をこなせるスタミナを持つ馬も輩出しています。

主な産駒

デインヒルダンサーは数々のG1競走馬を輩出しました。以下はその一部です。（記載は生年とアルファベット順）

1999年産
Choisir：ゴールデンジュビリーステークス、ライトニングステークス
Private Steer：ストラドブロークハンデキャップ、オールエイジドステークス、ドンカスターハンデキャップ
Where or When：クイーンエリザベス2世ステークス

2003年産
Speciosa：英1000ギニー

2004年産
Alexander Tango：ガーデンシティハンデキャップ
Arapaho Miss：VRCオークス
Light Fantastic：オーストラリアンギニー
Miss Beatrix：モイグレアスタッドステークス
Risky Business：シンガポールゴールドカップ

2005年産
Atomic Force：ザギャラクシー、レイルウェイステークス

2006年産
Again：モイグレアスタッドステークス、愛1000ギニー
Ave：フラワーボウルインビテーショナルステークス
Mastercraftsman：フェニックスステークス、ナショナルステークス、愛2000ギニー、セントジェームズパレスステークス
Super Satin：香港ダービー

2007年産
Alfred Nobel：フェニックスステークス
Lillie Langtry：コロネーションステークス、メイトロンステークス
Planteur：ガネー賞
Steps In Time：クールモアクラシック

2008年産
Dancing Rain：英オークス、独オークス

2010年産
Duntle：メイトロンステークス
Esoterique：ロートシルト賞、ジャック・ル・マロワ賞、サンチャリオットステークス
Hillstar：カナディアンインターナショナルステークス

2012年産
* Legatissimo：英1000ギニー、ナッソーステークス、メイトロンステークス

(ブルードメアサイアーとしての主な産駒は、分量の関係上割愛させていただきます。)

デインヒルダンサーは、競走馬として華々しい活躍こそ短期間でしたが、種牡馬として長きに渡り、競馬界に多大な貢献をしました。その功績は、これからも長く語り継がれていくことでしょう。

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