デビッド・テイラー (プロレスラー)

デビッド・テイラー：英国紳士レスラーの激動のキャリア

デビッド・テイラー（別名デイブ・テイラー、1957年5月1日生まれ）は、イギリス・ヨークシャー出身のプロレスラーです。オリンピック選手だった祖父とプロレスラーだった父の影響を受け、1974年にスウェーデンでプロレスデビューを果たしました。

輝かしいキャリアの始まりと日本での活動

1977年、若き日のテイラーはピート・ロバーツとのタッグチームで新日本プロレスの『新春黄金シリーズ』に初来日します。しかし、シリーズ開始からわずか1週間後、急性盲腸炎を発症し、緊急手術のために帰国せざるを得ませんでした。これは、スタン・ハンセンの新日本プロレス初参戦でも知られるシリーズにおいて、忘れられない出来事となりました。その後も、1985年には『ビッグ・ファイト・シリーズ』にも参戦しています。

英国での活躍とCWAでの成功

イギリスでは、リヴァプールを拠点とするオールスター・プロモーションズを主戦場とし、ヘビー級ベビーフェイスとして活躍。ビッグ・ジョン・クインや初代ケンドー・ナガサキらと激しい試合を繰り広げました。1991年には、デイブ・フィンレーを破りブリティッシュ・ヘビー級王座を獲得。さらに、オットー・ワンツが主宰するCWAにも遠征し、クリス・ベノワやミレ・ツルノとのタッグチームで2度、世界タッグ王座を獲得するなど輝かしい戦績を残しました。

アメリカでの活躍：WCWとブルー・ブラッズ

1995年、テイラーはアメリカへ渡り、WCW（World Championship Wrestling）でロード・スティーブン・リーガル率いるヒールユニット「ブルー・ブラッズ」に加入。「スクワイア」というニックネームで、嫌味な英国紳士を演じ、リーガルとのタッグで大きな人気を集めました。WCWではクリス・アダムスや宿敵フィンレーとも共闘。1996年には、WCWとの提携により新日本プロレスに再来日し、リーガルとのタッグで『SGタッグリーグ戦VI』に出場しました。1997年には、World War 3 1997のPPVでリーガルと組んでスタイナー・ブラザーズに挑戦するなど、WCWの中心選手として活躍しました。

WWF、TNA、そしてインディー団体へ

WCW崩壊後の2001年にはWWF（後のWWE）と契約。ファーム団体OVWのトレーナーを務めながら、WWFのダークマッチにも出場しました。その後TNAにも参戦し、2006年にはWWEと再契約。ファーム団体DSWでトレーナーを務めた後、スマックダウンの所属選手となり、リーガルとブルー・ブラッズを再現して、ブライアン・ケンドリック&ポール・ロンドン組と抗争を繰り広げました。さらに、ケインとの抗争アングルにも参加するなど、WWEでも存在感を示しました。

リーガルがRAWに移籍した後も、ポール・バーチルやドリュー・マッキンタイアと英国コンビを結成しましたが、2008年にWWEを解雇されました。以降は、IWAミッドサウスやチカラなどのインディー団体、そして故郷イギリスのオールスター・レスリングなどで活躍を続けました。2011年には、ROHのPPVイベントでコルト・カバナと対戦しています。

得意技と獲得タイトル

テイラーの得意技は、ブリティッシュ・スープレックス、ヨーロピアン・アッパーカット、アブドミナル・ストレッチなど。数々のタイトルを獲得しており、その中にはブリティッシュ・ヘビー級王座（2回）、CWA世界タッグ王座（2回）、CWFミッドアトランティック・ヘビー級王座（1回）、ヨーロピアン・ヘビー級王座（1回）などがあります。

英国紳士レスラーのレガシー

デビッド・テイラーは、英国出身レスラーとして、世界中のプロレス団体で活躍し、独自のキャラクターと高いプロレス技術で多くのファンを魅了しました。そのキャリアは、プロレスの歴史に大きな足跡を残していると言えるでしょう。彼の英国紳士レスラーとしてのスタイルは、多くの後進のプロレスラーたちに影響を与え続け、現代のプロレス界にもそのレガシーは受け継がれています。

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