デュアン・シモンズ

デュアン・B・シモンズ

デュアン・B・シモンズ（Duane B. Simmons, 1834年 - 1889年）は、アメリカ・オランダ改革派教会から日本へ派遣された初期の宣教師であり、医師でした。彼は横浜において医療活動を展開し、ジェームス・カーティス・ヘボンと共に、横浜の近代医学の基礎を築いた人物として知られています。横浜市立大学附属市民総合医療センター内には、彼の功績を記念する碑が建てられています。

生涯

1834年、シモンズはニューヨーク州で生まれました。1858年、彼はアメリカ・オランダ改革派教会の日本派遣宣教師に選ばれ、翌1859年5月にはS・R・ブラウン、グイド・フルベッキと共にニューヨークを出航し、上海を経由して同年11月にブラウンと共に横浜に上陸しました。

シモンズ夫妻は当初、ヘボンが住んでいた成仏寺の近くの宗興寺に居住しました。しかし、1860年にはミッションを辞任し、宣教師としての活動を停止。ミッションから預かっていた伝道費用を全額返還しました。辞任の理由は夫人のことが原因とも言われていますが、詳細は不明です。辞任後もシモンズは医師として日本に留まり、医療と医学教育に尽力しました。宣教師を辞めた後もブラウンとは交流があり、ブラウンが日本を離れる際にはシモンズが診察を行っています。

1870年、発疹チフスに苦しんでいた福澤諭吉を治療したことがきっかけとなり、シモンズと福澤は生涯にわたる親交を深めました。

1871年には、横浜元弁天に早矢仕有的らが建設した十全醫院（現在の横浜市立大学附属市民総合医療センター）に勤務し、後進の指導にもあたりました。1880年に退職する際、その功績が認められ、勲五等双光旭日章が授与されています。

1882年に一時帰国し、ニューヨーク州モントゴメリー郡フォンダで休養した後、1886年2月21日に再び来日しました。

1888年の夏頃から病気がちになり、福澤諭吉の計らいで慶應義塾内に住居を与えられて静養しましたが、1889年2月19日、三田の慶應義塾内にあった自宅で母親に見守られながら息を引き取りました。墓碑銘は福澤諭吉が執筆し、青山に埋葬されました。

伝記

荒井保男『ドクトル・シモンズ　横浜医学の源流を求めて』有隣堂、2004年

参考文献

荒井保男『日本近代医学の黎明（あけぼの） 横浜医療事始め』中央公論新社、2011年。ISBN 978-4-12-004204-1。
小沢三郎 著「明治文化とドクトルセメンズ」、尾佐竹猛 編『明治文化の新研究』亜細亜書房、1944年。
中島耕二、辻直人・大西晴樹『長老・改革教会来日宣教師事典』新教出版社、2003年。ISBN 4-400-22740-5。

関連項目

* 福澤諭吉全集

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