トゥゲザー・スルー・ライフ
『トゥゲザー・スルー・ライフ』（Together Through Life）は、2009年にリリースされたボブ・ディランの33作目のスタジオアルバムです。
このアルバムは、アメリカのビルボード200とイギリスの全英アルバムチャートの両方で初登場1位を記録し、特にイギリスでは1970年の『新しい夜明け』以来、実に39年ぶりの首位獲得となりました。
アルバムのリリースは、音楽業界内でもサプライズとして受け止められました。ローリング・ストーン誌の記事によれば、公式発表の2009年3月16日の時点で、リリースまで2ヶ月を切っていたのです。これは、当初秋に予定されていたリリースが、次作のクリスマスアルバム『クリスマス・イン・ザ・ハート』の企画が持ち上がったことで前倒しされたためでした。
ディランは本作でも、前2作に引き続きジャック・フロスト名義でプロデュースを手掛けています。
リリースに先立ち、ディランの公式サイトでは音楽ジャーナリスト、ビル・フラナガンとのインタビューが掲載されました。その中でディランは、フランス人映画監督オリヴィエ・ダアンからロードムービー『My Own Love Song』(2010年公開)の楽曲制作を依頼されたことが、アルバム制作の初期段階に大きな影響を与えたと語っています。この映画のために作られた「ライフ・イズ・ハード」という楽曲が、アルバム全体の方向性を決定づけたとのことです。
レコーディングには、2008年時点のディランのツアーバンドに加え、ロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴがアコーディオン奏者として、またトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベルがギタリストとして参加しています。
アルバムリリースに先駆け、3月30日には「ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン」が公式サイトで1日限定の無料ダウンロードとして提供され、4月6日には「アイ・フィール・ア・チェンジ・カミング・オン」がタイムズ紙の公式サイトで発表、その後ディランの公式サイトでも試聴が可能となりました。
このアルバムのほとんどの楽曲は、ディランとグレイトフル・デッドの作詞家ロバート・ハンターとの共作です。二人の共作は、1988年の『ダウン・イン・ザ・グルーヴ』以来となります。
音楽的な特徴としては、前作に引き続きブルース色が濃い点が挙げられます。特に「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン」は、マディ・ウォーターズの楽曲「I Just Want to Make Love to You」（作曲：ウィリー・ディクスン）の替え歌とも言える内容で、アレンジもほぼ原曲を踏襲しています。
『トゥゲザー・スルー・ライフ』は、以下の3つの形態でリリースされています。
通常盤CD: 楽曲のみを収録。
デラックス盤（3枚組）: 通常盤CDに加え、ディランがホストを務めるラジオ番組『テーマ・タイム・ラジオ・アワー』の「Friends & Neighbors」エピソードを収録したCDと、ドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』(2005年)からカットされた、ディランの初期マネージャーであるロイ・シルバーのインタビューを収録したDVDが付属。
LPレコード（2枚組）: 米国盤には通常盤CDが付属。
特記がない限り、作詞はボブ・ディランとロバート・ハンター、作曲はディランです。
1. ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング - Beyond Here Lies Nothin' – 3:51
2. ライフ・イズ・ハード - Life Is Hard – 3:39
3. マイ・ワイフズ・ホーム・タウン - My Wife's Home Town – 4:15 (作詞・作曲: ウィリー・ディクスン、ディラン、ハンター)
4. イフ・ユー・エヴァー・ゴー・トゥ・ヒューストン - If You Ever Go to Houston – 5:49
5. フォゲットフル・ハート - Forgetful Heart – 3:42
6. ジョリーン - Jolene – 3:51
7. ディス・ドリーム・オブ・ユー - This Dream of You – 5:54 (作詞・作曲: ディラン)
8. シェイク・シェイク・ママ - Shake Shake Mama – 3:37
9. アイ・フィール・ア・チェンジ・カミング・オン - I Feel a Change Comin' On – 5:25
10. イッツ・オール・グッド - It's All Good – 5:28
通常盤CDに加え、以下のCDとDVDが付属します。
CD: Theme Time Radio Hour: Friends & Neighbors
このエピソードで放送された楽曲が収録されています。
1. Howdy Neighbor – Porter Wagoner & The Wagonmasters
2. Don't Take Everybody to Be Your Friend – Sister Rosetta Tharpe
3. Diamonds Are a Girl's Best Friend – T-Bone Burnett
4. La Valse de Amitie – Doc Guidry
5. Make Friends – Moon Mullican
6. My Next Door Neighbor – Jerry McCain
7. Let's Invite Them Over – George Jones & Melba Montgomery
8. My Friends – ハウリン・ウルフ
9. Last Night – リトル・ウォルター
10. 君の友だち - You've Got a Friend – キャロル・キング
11. Bad Neighborhood – Ronnie & The Delinquents
12. Neighbours – ローリング・ストーンズ
13. Too Many Parties and Too Many Pals – Hank Williams
14. Why Can't We Be Friends – War
DVD: ロイ・シルバー – ロスト・インタビュー - Roy Silver – The Lost Interview
1962年7月の「風に吹かれて」のWitmarkデモ録音などを含む未公開インタビュー映像。
ボブ・ディラン - ギター、キーボード、ボーカル
マイク・キャンベル - ギター、マンドリン
デヴィッド・イダルゴ - アコーディオン、ギター
ドニー・ヘロン - スティール・ギター、バンジョー、マンドリン、トランペット
トニー・ガーニエ - ベース・ギター
* ジョージ・リセリ - ドラムス
『トゥゲザー・スルー・ライフ』は、リリース初週に125,000枚を売り上げ、ビルボード200で初登場1位を獲得しました。
日本では、Sony Music Japan Internationalからリリースされました。
このアルバムは、アメリカのビルボード200とイギリスの全英アルバムチャートの両方で初登場1位を記録し、特にイギリスでは1970年の『新しい夜明け』以来、実に39年ぶりの首位獲得となりました。
制作の経緯
アルバムのリリースは、音楽業界内でもサプライズとして受け止められました。ローリング・ストーン誌の記事によれば、公式発表の2009年3月16日の時点で、リリースまで2ヶ月を切っていたのです。これは、当初秋に予定されていたリリースが、次作のクリスマスアルバム『クリスマス・イン・ザ・ハート』の企画が持ち上がったことで前倒しされたためでした。
ディランは本作でも、前2作に引き続きジャック・フロスト名義でプロデュースを手掛けています。
リリースに先立ち、ディランの公式サイトでは音楽ジャーナリスト、ビル・フラナガンとのインタビューが掲載されました。その中でディランは、フランス人映画監督オリヴィエ・ダアンからロードムービー『My Own Love Song』(2010年公開)の楽曲制作を依頼されたことが、アルバム制作の初期段階に大きな影響を与えたと語っています。この映画のために作られた「ライフ・イズ・ハード」という楽曲が、アルバム全体の方向性を決定づけたとのことです。
レコーディングには、2008年時点のディランのツアーバンドに加え、ロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴがアコーディオン奏者として、またトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベルがギタリストとして参加しています。
アルバムリリースに先駆け、3月30日には「ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン」が公式サイトで1日限定の無料ダウンロードとして提供され、4月6日には「アイ・フィール・ア・チェンジ・カミング・オン」がタイムズ紙の公式サイトで発表、その後ディランの公式サイトでも試聴が可能となりました。
楽曲について
このアルバムのほとんどの楽曲は、ディランとグレイトフル・デッドの作詞家ロバート・ハンターとの共作です。二人の共作は、1988年の『ダウン・イン・ザ・グルーヴ』以来となります。
音楽的な特徴としては、前作に引き続きブルース色が濃い点が挙げられます。特に「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン」は、マディ・ウォーターズの楽曲「I Just Want to Make Love to You」（作曲：ウィリー・ディクスン）の替え歌とも言える内容で、アレンジもほぼ原曲を踏襲しています。
アルバムのエディション
『トゥゲザー・スルー・ライフ』は、以下の3つの形態でリリースされています。
通常盤CD: 楽曲のみを収録。
デラックス盤（3枚組）: 通常盤CDに加え、ディランがホストを務めるラジオ番組『テーマ・タイム・ラジオ・アワー』の「Friends & Neighbors」エピソードを収録したCDと、ドキュメンタリー映画『ノー・ディレクション・ホーム』(2005年)からカットされた、ディランの初期マネージャーであるロイ・シルバーのインタビューを収録したDVDが付属。
LPレコード（2枚組）: 米国盤には通常盤CDが付属。
収録曲
通常盤CD
特記がない限り、作詞はボブ・ディランとロバート・ハンター、作曲はディランです。
1. ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング - Beyond Here Lies Nothin' – 3:51
2. ライフ・イズ・ハード - Life Is Hard – 3:39
3. マイ・ワイフズ・ホーム・タウン - My Wife's Home Town – 4:15 (作詞・作曲: ウィリー・ディクスン、ディラン、ハンター)
4. イフ・ユー・エヴァー・ゴー・トゥ・ヒューストン - If You Ever Go to Houston – 5:49
5. フォゲットフル・ハート - Forgetful Heart – 3:42
6. ジョリーン - Jolene – 3:51
7. ディス・ドリーム・オブ・ユー - This Dream of You – 5:54 (作詞・作曲: ディラン)
8. シェイク・シェイク・ママ - Shake Shake Mama – 3:37
9. アイ・フィール・ア・チェンジ・カミング・オン - I Feel a Change Comin' On – 5:25
10. イッツ・オール・グッド - It's All Good – 5:28
デラックス盤
通常盤CDに加え、以下のCDとDVDが付属します。
CD: Theme Time Radio Hour: Friends & Neighbors
このエピソードで放送された楽曲が収録されています。
1. Howdy Neighbor – Porter Wagoner & The Wagonmasters
2. Don't Take Everybody to Be Your Friend – Sister Rosetta Tharpe
3. Diamonds Are a Girl's Best Friend – T-Bone Burnett
4. La Valse de Amitie – Doc Guidry
5. Make Friends – Moon Mullican
6. My Next Door Neighbor – Jerry McCain
7. Let's Invite Them Over – George Jones & Melba Montgomery
8. My Friends – ハウリン・ウルフ
9. Last Night – リトル・ウォルター
10. 君の友だち - You've Got a Friend – キャロル・キング
11. Bad Neighborhood – Ronnie & The Delinquents
12. Neighbours – ローリング・ストーンズ
13. Too Many Parties and Too Many Pals – Hank Williams
14. Why Can't We Be Friends – War
DVD: ロイ・シルバー – ロスト・インタビュー - Roy Silver – The Lost Interview
1962年7月の「風に吹かれて」のWitmarkデモ録音などを含む未公開インタビュー映像。
パーソネル
ボブ・ディラン - ギター、キーボード、ボーカル
マイク・キャンベル - ギター、マンドリン
デヴィッド・イダルゴ - アコーディオン、ギター
ドニー・ヘロン - スティール・ギター、バンジョー、マンドリン、トランペット
トニー・ガーニエ - ベース・ギター
* ジョージ・リセリ - ドラムス
チャート成績
『トゥゲザー・スルー・ライフ』は、リリース初週に125,000枚を売り上げ、ビルボード200で初登場1位を獲得しました。
リリース
日本では、Sony Music Japan Internationalからリリースされました。
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